Labyrinth to Rain (長編)

□幻滅メゾピアノ
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「それでどうなのよ、その後は」

『…なんだよ急に』

「またまたとぼけちゃって(笑)
いくちゃんと何か進展あったかってこと!」





いつものカフェに向かう放課後

隣には興味津々な顔の白石

橋本は何か用事があるとかで帰ったけど…




どうやら生田さんと一人称のことを変に勘ぐってるみたいで

最近はいつ会ったとか

連絡どれくらいのペースで取ってるかってしつこく聞いてくる





『別に何も、あの日から会ってないし』

「マジ!?あんな仲よさそうだったのに?」

『仲良いっていうか、出会いが凄かっただけだから』

「連絡取ってるんじゃないの?」

『まぁ…けど忙しいらしいよ、ピアノとか勉強とか』






つーか

そもそも一人称彼女いるんですけど



なんてツッコミを入れようとしたタイミングで

いつものカフェが見えてきて


その後の処理も面倒だからと何も言わずに入ろうとした店先で


白石が不思議そうな声で呟いた









「いくちゃん?」









視線を追うと

そこには若干中腰

かと思えば背伸びをしつつ


ひっそりと店の中を怪しげにのぞきこむ

制服姿の女子高生




むしろそのおかげで特定できた

あれは間違いなく生田さん



けど何でここに…



不思議に思っていると白石がためらいもせずに声をかけて







白石「いーくーちゃん!」

「うおぉとっ!お…ど、どうも//」

白石「あ、ごめん驚かせて…(笑)
てかどうしたの?」

「あ…あのですね、その…みなさん元気かなぁと思って。
よくここに集まってるって言ってたから」






戸惑った様子で答える彼女

久しぶりで緊張してるのか

なかなか目が合わない






白石「とりあえず店入りなよ!なっ、名前?」

『あぁ…うん』

「じゃあ…お言葉に甘えて//」


『…』






生田さんてこんな感じだったっけ?

まだ会うの3回目だけど

今日はちょっとよそよそしいというか…






『何か今日おかしくない?』

「そ、そんなことないよ」

『…』

「ふ…普通!いつも通りだから//」

『…あっそ』








やっぱ…





変な人。
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