Labyrinth to Rain (長編)

□XYZ
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あれから3日





うまく言い表せない

何かに満たされたような感覚は続いてる





そのせいかどうかは分からないけど


遅刻しないように学校へ行き

眠くない時は授業を聞いて



話しかけてきた人には

なるべく返事をしてる自分がいて




これって普通の人には当たり前なのかもしれないけど


一人称にとっての普通は今まで全部逆だったから


それを今さら覆そうなんてつもりはさらさらないのに






彼女との出会いは

特別だったのかもしれないと

余計に感じはじめてる





ただ

今気になるのはそれとは違う特別で



あの日以来顔も見てないし連絡もないのがその理由

とはいえ知り合った頃から頻繁にやりとりするタイプでもなかったし

お互いのマイペースな性格にはもう慣れてるから…





そんな考えを一周巡らせてはみても

結局こうやって放課後会いに行ってるんだから







今の一人称にとって

大切なんだろうな…













『…休んでる?』







だけどいつも訪れる時間帯

カフェの中にいる見知った顔はなぜか一人だけで





なな「今日で3日連続やしちょっと心配してて…
名前くん、何か聞いてる?」

『いや…普段からあんまり連絡とらないから』

なな「……あ、まっつんは白石くんとデートやって」

橋本「うちらもその話は聞いてるんだけど…ね?」

『…』







今日で3日…

あの日から来てないってことか



一人称に連絡ないだけならまだしも

バイトも休み続けてるってなるとさすがに…








橋本「連絡してみたら?」

『…じゃあ、一応』






ジワジワとすりよってくる不安をを抑えつつ

携帯をポケットから取り出そうとした時









「あの…」









突然

テーブルの前に現れた女子高生



見慣れない顔

だけど着ている制服には見覚えがあって




橋本か七瀬ちゃんの知り合いか?



なんて思っていたんだけど








「苗字名前さん…ですよね」




















『…誰?』








どうやら

一人称に用があるらしい。
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