Pink The Wire (?)

□Dream Defeat Analyzer
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これは

散らばっていく幸せと

闇に浮かぶような夢に



手を伸ばして

現を抜かす

私の話










「最近さぁ…変なんだよね、うちの妹」

はぶ「妹って…ひかるちゃん?」





昼休み

屋上へ向かいながら





「なんだろう…ちょっと変わったというか」

はぶ「年頃の女の子だもんねー」





最近身の回りで起きた

一番気になるニュースを





「まぁ…良い変化なんだと思うけど」

はぶ「…けど?」





付き合い始めたばかりの

優しい彼に伝えつつ





「ちょっとだけ寂しいというか…そんな気持ちもあったりして」

はぶ「さすがお姉ちゃん!そういうとこ優しいよね、由依って」

「別に…そんなことないよ//」





ほんの少しだけ

イチャイチャしたり…?





はぶ「あっ、もしかして今ソンナコトナイヨ狙った?」

「…ごめん、それは全然狙ってない(笑)」





ハイレベルな天然っぷりを

ばらまく彼と笑って過ごしながら



こうやって一緒に笑い合う時間が

私の幸せっていうか…





なんて

らしくない自分に浸ってる間に

学校の階段はすべて登り終わってて





はぶ「やっぱり屋上寒いかなー?」

「我慢できなかったら教室戻ろっか(笑)」





屋上の扉に

彼が手をかけて





ガチャ…





はぶ「おっ、でも良い天気だー!」





少しだけ先を歩く

前向きな感想につられて





「遠足に来た小学生じゃないんだからさ…(笑)」





またひとつ

自然な微笑みが溢れて



ほんの二、三歩

進んだ先





「…えっ、」





















『…ふぅ』





そこにいたのは

フェンスにもたれかかる

ふてくされたような顔と派手髪で





「…」





細い果実を咥えて

白い煙を浮かせて回す





『…ん?』





いわゆる

不良っぽい人





『…』

「…」





そして

がっつり

目が合ってしまっている…





『…』





おまけに勘違いじゃなければ

ちょっと睨まれてるような…





「ね…ねぇ、土生くん?」





絡まれるのも面倒だし

場所を変えた方がよさそう…





「やっぱり…教室戻ろっか?」





そんな安全策を

隣で立ち止まっている彼に

なるべく自然に提案したんだけど





はぶ「名前ー!こんな所で何してんのー?」

「…」





















え?





『なんだ土生かよ…先生に見つかったかと思ってヒヤヒヤしたじゃん』

「…」
































「……知り合い…なの?」
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