センチメンタルモーメント (長編)
□時限式ロマンス
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SIDE : 西野七瀬
PM10:25
「…」
自分の部屋
ベッドの上
「…」
左手で持ってるスマホと
にらめっこ中
「…んー」
…
「…はぁ」
どうしよう
スマホが鳴らん
「もう寝てるんかな…ってさすがに早いか…」
実はさっき
名前に連絡した
あした
一緒にお昼ご飯食べよって…
「はぁ…//」
きっかけは今日の放課後
かりんちゃんの家に向かう途中で
生駒ちゃんと彼女のみなみちゃんにバッタリ会って…
いこま「なぁちゃん!うち、応援してっから!」
「えっ…どうしたん?急に…」
いこま「名前のこと、ウチ何となく気づいてて…だから頑張ってほしいっつーか…」
「あ…そう…なんや//」
どういうワケか
生駒ちゃんにはななの気持ちがバレてたみたい…
おまけにその流れで明日のお昼ご飯
名前のこと誘ってみなよって勧められて…
二人は昼休みもよく一緒に過ごしてるんやけど
生駒ちゃんは明日彼女とランチの約束が出来たらしく
多分名前は空いてると思うからって…
「がんばれ…か」
深夜になっても
鮮明に蘇ってくる生駒ちゃんの熱量
本気で応援してくれてるのは伝わったし
それに応えたいとも思うけど…
「…どうしよ、断られたら…」
そもそも今まで一緒にお昼ご飯食べたことなんてないし
誘っておいて言うのもなんやけど
絶対緊張して上手く喋られへんと思うし…
「…ぁ、」
なんてあれこれ考えていると
鳴り出したケータイ
覗いて見るとやっぱり名前からで…
「えっ、ちょうどそのことで悩んでた…?」
どうやら生駒ちゃんに
前もって明日のことを言われてたみたいで
むしろ誘ってくれてありがとうって感謝までされてしまい…
…
「…成立してしまった…//」
ということは
明日の昼休み
名前と一緒にお昼ご飯
「…そっ…か//」
ヤバい
想像しただけで緊張感と手汗が…
しかもめっちゃドキドキしてるし…
「…どうしよ…//」
気持ちを落ち着けようと
ベッドへ身体を預けてはみるけど
「…//」
部屋の天井を眺めても
にぎやかな鼓動に変わりはなくて
「…///」
目を閉じてみても
当然眠れるはずもなく…
「ぜったい…名前のせいやん、これ…///」
なんて愚痴をこぼしつつ
握ってたスマホに映る自分の顔はちょっと嬉しそうで…
「……もう寝よ…//」
あまのじゃくな自分を受け入れるように
悶々としながらも目を閉じることにした…