アイドル部って、なに? (長編)

□遭遇
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新内「はーい、みんな席についてー」

堀「…」

『…』








朝のホームルーム

一人称たちが入って来た途端に

ざわめき出す教室



これから先生が自己紹介をしてくれるらしいんだけど



やっぱり自分が転校生の立場となるとやっぱり話は別だな…





緊張感がえげつない










新内「…で、彼が苗字名前くん。ご両親の仕事の都合で引っ越してきたの」

『よろしくお願いします』

新内「それからもう一人、苗字くんの隣に立ってるのが堀未央奈さん。
岐阜県から来たんだよね?」

堀「はい…よろしくお願いします」







そしてまさか

あの不思議ちゃんとクラスメイトだったとは




こんなタイミングで同時に引っ越してくるだけでも凄い偶然なのに

クラスまで一緒とかもはや奇跡だよな…





まぁ、これで出会ってからの意味不明な発言の理由がはっきりして

ちょっとスッキリもしてるけど





数分間のクラスメイトへの簡単な自己紹介を終え

ようやく一段落かと思った時…








新内「苗字くんと堀さん、ちょっといい?」








休み時間になった途端

先生から呼ばれた一人称と堀さん





どうやら今日の放課後に

学校案内と部活動見学を兼ねたものをやってくれるみたいで

予定がなければ二人一緒にどうかなってことらしいんだけど





放課後はちょっとな…




学校のことを知るのはもちろん大事だし

興味持てる部活とかも見つかるかもしれないけど

一人称の予定では放課後に都会の街を探索するつもりだったから



どうにか後日にずらせないかな…

と怪しまれない自然な言い訳を考えていると







堀「私は放課後でも大丈夫です」

『えっ…』






さらっと同じ境遇の堀さんが答えてしまい

とてつもなく断りづらい流れに




きっと先生的には早めに済ませたいだろうし

もうこれ行くしかないよな…






『じゃあ一人称も…お願いします』







はぁ…


思い描いてたプランがどんどん崩れてく







堀「あの、先生」







原因はもちろん隣にいる彼女

この短時間で相当振り回されてるし






堀「さっそく購買に行きたいんですけど」

新内「朝ごはん食べて来なかったの?」

堀「いっぱい食べたんですけど、お腹すいちゃって」

新内「あ…なるほどね(笑)」







次はどうやらお腹が空いたらしくて

朝ごはん食べたのにもうお腹減るとかどうなってんだよ

先生も完全に苦笑いしちゃってるし…







『お弁当は?持ってきてないの?』

堀「…持ってきてはいるんだけど」

『…けど?』

堀「もう食べちゃったから」

『いつの間に!?』







おまけに転校初日の朝っぱらから

こんなにもボケてくるなんて




一人称がツッコミ担当になるのは

時間の問題かもしれない…
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