アイドル部って、なに? (長編)

□入部
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「…80!81!82!」

『…』









相変わらず

リーダーらしき人物が数を数える声と笛の音だけが

一定のリズムで鳴り響くこの廊下





それに合わせて他の部員は握手の練習してるし

メガネトリオは真剣な眼差しで見守ってる…





はたから見れば

まさに開いた口がふさがらないって状態




どうすることもできず

呆然と立ち尽くしてそれを見ていると









堀「アイドル部って…何をするんですか?」









ふいに聞こえてきた堀さんの声

確かに気になるところではあるけど…








新内「…」








明らかに先生困ってる…



そりゃそうだよな



初見の一人称でもこれが色んな意味でヤバい部活だってことくらいは分かる






まぁアイドル部っていうくらいだし女子しかいないみたいだから…



一人称には関係ないけど












新内「じゃあ…そろそろ行こっか」









少し間をおきつつ

答えることを諦めた様子の先生がそう言って

一人称と堀さんもその後を追おうとした時






再びどこからか聞こえてきた足音

それに何かで地面を突くような音まで…







まさかまだ変なのがいるのか?






一種の恐怖のような感覚を抱きながらゆっくり後ろを振り向くと




颯爽と一人称たちをかわし

目の前を通りすぎたその女性






そして一直線にアイドル部の方に向かっていく…








ってちょい待てー!



派手な金色のジャージ

その下に豹柄のシャツ


そして校内でグラサン…

てか竹刀持ってますけど!?









誰なんだこの人は…





掴めない状況に混乱しながらもその背中を見つめていると

それを見つけたリーダーらしい人が笛を吹くのを止めた






握手やめっ!


橋本先生!!お疲れ様です!!!!






それを聞いた部員も姿勢を正して一斉に頭を下げ始めて…






って先生なのこの人!?







そんな一人称の思いと周りの声を無視するように

一人の部員に近づいていくその先生








橋本「おい、お前…何も考えてないだろ」







いきなり現れて説教!?

やっぱヤバい人じゃん…





橋本「何もイメージしてないだろ!」

「…」

橋本「握手ナメてんだろ!?」







どうやら彼女の握手が気にくわないみたいだけど


とにかくめっちゃ怖い…


メガネトリオなんて震えてんじゃねーか







橋本「もう一回、やってみろ」

「…っ、いえっさー!」







結局もう一回握手の練習させてるし怒られてた部員は敬礼までして…





かなりのスパルタ…








橋本「エース、ちょっとやってみろ」

「はいっ!」







と思ったら怒られてた人の握手をやめさせて

今度はエースって人に練習させる先生


確かにキレイな人だけど



てかエースとかあるんだ…








橋本「何が違うか分かるか?」







恐ろしいほど橋本って先生が主導で変わっていく展開

今度は問題出してきた…




これ正解しなかったらタダじゃ済まないんだろうな


当てられる人ツイてねぇ…








橋本「そこのお前、言ってみろ」


















お前って





誰だ?






不思議に思っていると

先生の持っている竹刀の切っ先が一人称たちのいる方向に向き始めた





橋本「お前に言ってんだよ、そこの転校生面した男!」







転校生面?

つーかこの場にいる男って…







まさか…











『…一人称?』
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