ななせまるの憂鬱 (中編)

□エヴァネッセント
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気づいたら







目で追ってた







高校時代


共通の友達はおったけど

直接会話をしたことってほとんどなくて




なのに何故か最初見た時から

いいひとやなぁって思ってたっけ






とはいえ自分から話しかけたりだとか

向こうから声をかけてくれるとか

そういうこともなく






何とも言えないもどかしさが心の隅に残ったままで

高校生活を終えて別々の道に進む






そう思っててんけど










『あ…えっ、と……西野さん?』









まさかの再会


しかも地元から遠く離れた都会のど真ん中にある


大学の入学式で









「苗字くん…?何でこんなとこに……」

『…入学式だから?』

「……ふふっ(笑)」

『えっ、何で笑ってんの?』

「だって…そこ疑問系にするとこじゃない……(笑)」








思い出してみると


全然喋ったことないのに

違和感なく始まったおかしな会話




都会に出てきて見つけた唯一の知り合いってこともあるけど

それよりも初めてまともに話せたっていうことが何か嬉しくて





別にこれが運命とか

そういうことは考えんかったけど





上手く言葉にしにくい胸の痛みは



この頃くらいから始まってたなぁ…
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