欅坂 (短編)

□The Inside War
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「えっ…私、ですか…?」





やっちゃったよ…



ついに、

ついに小林さんと喋ってしまったぁぁ!!

近くで見るとさらに美しいぃぃっ!!


これは織田が天使って呼びたくなるのも納得だわ…



って、そんなことより!



『ごめんなさい急に…
あの一人称、2年の苗字名前って言います///』



念願の会話成立の余韻に浸る前にとりあえず簡単な自己紹介

どこの誰か分からないままだとさすがに…


なんて思っていると




「あっ……小林由依、です」




なぜか彼女まで挨拶してきちゃって、

一人称の中ではりつめてた緊張感が一気に緩んだ。


大人しそうな雰囲気あったし、きっと優しい人なんだろうなっていう予想は前からしてたけど、

ここまでふんわりした感じだとは思ってなかったから…



もしかしてちょっと天然系なのか?



でもそういうところもまた良い……




じゃなかったー!

目的は告白なんだよ、告白!!




あんまり長くなっても逆に言えなくなりそうだし


もう思いきって本題を突っ込むしかない!





『それで、いきなりでアレなんですけど!』


「アレ…とは?」




しまった!勢いでいこうとしたら言葉が…




『いや…その、緊張しちゃって……言葉が出てこなくて///』

「あぁ…ちょっと分かるかも。
ありますよね…そういうこと(笑)」




って何やってんだ一人称ー!

告るはずが口下手発揮してフォローされてしまったぁー!!

おまけにこういう場面でしゃべるの初めてで全然好きって言えないぃぃ




あー!

変なこと考えてたら抑え込んでた緊張がまた戻ってきた…




「私も…緊張した時はよく声が小さくなっちゃって…」

『あぁ……なる、ほど…』




って、まずい!

なんか謎の共感されてるし今度は別の話になっちゃってるし…



『…』

「…」














沈黙



やってきてしまった



一番恐れていた展開






やばい






告るタイミング逃した…
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