アイドル部って、なに? (長編)

□VERSUS
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生田「よーし、休憩終わり!もう一回振り確認するよー!!」






数分後

生田さんの呼び掛けで練習を再開したメンバーたち



今踊ってるこの新曲は今週末のミニライブと…



確か来週のふれあいコンサートでもお披露目の予定だったっけ



イベントが近づいてきてるせいかみんな気合い入ってるみたいだし

なんかようやく部活っぽくなってきたなぁ…



とはいえ未だにこの人たちがアイドルやってる姿は想像がつかないんだけど



それもあってどんな活動をしてるのか

本番を見るのがなんだか楽しみになってきた





そんな思いを胸に秘め

先輩マネージャーたちと振り付けの練習を見守っていた時










「たのもーっ!!!」









突然大きな音を立て

開いた部室の扉




目をやるとそこには真っ白な制服に身を包んだ見覚えのない女子高生たち





「お久しぶりやなぁ、乃奇坂学園アイドル部のみなさん」

生田「げっ…」






その集団の先頭で入ってきた関西弁の人が口を開いた途端


いかにも嫌そうな顔をしたアイドル部の先輩たち



誰なんだろ…



制服が違うからここの生徒ではないんだろうけど






『あの…知り合いですか?』

生田「知り合いっていうか、うーん…」





一人称の質問に難しそうな顔をして言葉を詰まらせる生田さん

おかげでこの人たちがどこの誰なのかさえ分からない




すると再び関西弁の人が口を開いた






「そこの君、知り合いどころちゃうで!ライバルやライバルー!」

『ライバル?』

「そう!ウチら白鳥女子学院アイドル部はアンタらのライバルやねん!」

『…』






って言われても…




白鳥女子学院って、どこ?

つーかアイドル部って他の学校にもあるんだ?




初めてだらけの情報を頭に入れつつも

とりあえず面倒な展開に巻き込まれるのは嫌だし

見てみぬフリをしようかと思ったんだけど…







「ねぇ、なんで男の子がいるの?」

「さぁ…とりあえず違和感凄いね(笑)」






突然現れた女子高生たちの視線が

一人称に集中してる気が…



おまけに変なひそひそ話まで聞こえてくる




多分あれかな

これだけの数の女子の中に男一人だから目立っ…








「名前?」


















今の甘い声




どこかで聞いたような…






というか思い当たる人物は一人しかいない




でもこんな所にいるはずが…





自問自答を繰り返しながら固まっていると


白い群れの後ろから突然

声の主が顔を見せた





「やっぱ名前じゃん!なんでいるの?」

『……ウソだろ』







そんなのこっちのセリフだよ




なんでお前が…




こんなところにいるんだ?








『みなみ…?』
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