ななせまるの憂鬱 (中編)
□MEMORIES
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そして
迎えた週末
『マジで来ちゃったよ……』
都会を少し離れ
そこそこに賑わっている海水浴場へやって来た一人称たち
けど七瀬と二人で、ってことではなくて…
いこ「あっちぃ!何度?いま何度?」
れいか「間違いなく46℃はあるでしょ!」
わか「玲香、さすがにそれはない(笑)」
『…』
結局集まったいつものメンバー
ほぼ毎日一緒にいるから情報も回って自然とそういう流れにはなるんだけど
つーか生駒と玲香うるせぇ
おかげでさっきからすれ違う人たちの視線が若干痛い
つーか言い出しっぺはどこで何やってんだ?
一緒に着替えに行ってた玲香はもう戻って来てんのに…
『おまけに何だよこの暑さは…』
そういえば朝のニュースでもこの夏一番の暑さだとか言ってたっけ
玲香のおバカ発言が現実になりそうなほど
砂浜の上だと物凄い体感温度
ウソついてでも来るのやめときゃ良かった
『はぁ…』
深いため息をつきながら
ありえない程の暑さに若干イラついてきた頃
「おまたせー」
ようやく後ろから聞こえてきた
急いできましたって感じの声と共に砂を踏みしめる足音
『ったく、こんなとこでいつまでも待たせんじゃ…』
そう言いながら振り向いた時
思わず抱いてしまった感情
「ごめん、来た道分からんくて迷ってた…//」
薄手のパーカーを上から羽織ってはいるけれど
いつもは見ることのない位置の肌をちらつかせるその水着姿に…
れいか「なーちゃん水着カワイイじゃん!」
いこ「これはイカン……鼻血が出る」
わか「いやいや、生駒は女の子でしょ(笑)」
いこ「なぁちゃんは別格!性別は関係なし!!」
わか「ほら、名前も感想言ってあげな?」
若月に煽られたせいで
出てくるのは普通すぎるお世辞のような言葉だけど…
『似合ってる……と、思う///』
本当は思ってる
すごくカワイイって…
なな「いやっ、まったくそんなこと…ないから……///」
『…///』
何だろ、この感じ
よく分からないけど恥ずかしくなってきた…
でもさっきのは訂正
海
ちょっとだけ来てよかっ…
『ってぇ!生駒お前……何で殴んだよ!』
いこ「おめぇ今なぁちゃん見てスケベなこと考えてたなー!?」
『それはお前だろーが!つかマジで鼻血出てんぞ!?』
いこ「んなワケねぇ…うぉぉ!?
ちょっ、誰かティッシュプリーズ!」
わか「生駒落ち着いて!
ほら、玲香が持ってるから早く貰いな?」
れいか「えっ?私持ってないよぉ!」
わか「ウソでしょ?昨日カバンに入れてたじゃん!」
れいか「あっ…そうだっけ///」
わか「玲香って本当抜けてるよね(笑)
そういうところもカワイイけど」
『…どーでもいいから早くティッシュ渡してやれよ』
なな「あ、ティッシュやったらなな持ってる」
やっぱり訂正
来なきゃ良かった…