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□懺悔させてください(ハンジ視点)
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〜その後の話《ハンジ視点》〜



長年、戦友として一緒に戦ってきたリヴァイに、恋人ができた。


仲間としては、喜ぶべきところなんだろうけど、相手を考えると、もろ手を挙げて、という訳にはいかなそうだ。


「エレン……あのさ、今日のじっけ…じゃなかった、巨人化訓練はお休みにしようか」

「え……?」

ハンジの部屋で血液検査を終えたエレンは、椅子に腰かけたまま、大きな目をパチクリと瞬かせた。


「どうかしたんですか、ハンジさん」

「いや……うーーーーん…、体調は大丈夫かな、と思ってさ」

「?、俺は健康ですけど」

「いや、うん、それはそうなんだろうけど……」

言うべきか、言わずにいるべきか。

ハンジは腕組みをして、うーーん、とのけぞった。

しばらく考えていると、突然部屋の扉があいた。

「おいハンジ、入るぞ」

「……だーかーら、リヴァイ、乙女の部屋に入るときは…」

何度注意しても聞かないリヴァイにお決まりの台詞を吐くも、どうせ変わらないであろうことは、長い付き合いで把握している。

「黙れ。エレンの訓練はどうなってる」

「あ――……、それなんだけどさぁ、今日は休ませようかな、って思ってるんだよ」

「だ、だから、ハンジさん、俺は健康体ですって」

リヴァイと向かい合って話していると、後ろからエレンが声を上げた。

その顔をチラ、と見て、それから、リヴァイを見る。

「……そうは言うけどねぇ、エレン。君のその目の下のクマを見ていると、お姉さんは心配になっちゃうわけだよ」

「ク……マ……?」

「…………」

バツが悪いのか、リヴァイは何も言わずに背を向けた。

はぁ、とため息をつく。

「どうせ昨日も、このおじさんに貪られたんでしょ?、確かに訓練も大事だけど、身体が資本だからね。今日はゆっくり休みなよ」

エレンに向かい合ってそう言うと、エレンの顔がみるみる赤くなる。

「ハ、ハンジさん、な、何を言って……?」

「おいエレン、聞いただろ。……戻るぞ」

真っ赤になって狼狽えるエレンを、可愛いなぁ、と思って眺めていると、不機嫌になったリヴァイが間に入ってきた。

エレンの腕をさっと掴むと、引っ張り上げて連れて行ってしまう。

「え……っ、あ……兵長!」

リヴァイとハンジの顔を交互に見ながら引きずられていく少年ににっこり笑いかけてやりながら、ハンジは悪戯心半分、心配半分に、昔馴染みに声を掛けた。



「リヴァーイ!!、今日は無理させちゃ駄目だからね―――!!」


すると、わかっている、とでも言いたげに、乱暴にドアが閉められた。

一人部屋に残ると、思わず笑いが漏れた。

「……告白された、とか言ってたわりに、既に自分がベタ惚れじゃないか」

クスクス笑うと、ハンジはデスクに戻っていった。










《後記》

今日も調査兵団は平和です。

ハンジさん視点が書きたかっただけです。

彼女の立ち位置は本当においしいなぁと思う今日この頃……。







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