long

□おはよう
1ページ/1ページ







PPP ‥‥





AM7:00




『う〜ん』


私は、携帯のアラームを止める。



『ふぁぁぁ。まだ、時間あるし、もう少し‥‥』



再び夢のなかに入ろうと布団に潜ったとき



ガチャっ



ドアが開く音




「あ〜!もう葵!!起きて?」

心地良い声と、優しく体が揺さぶられる感触



『ん〜…おはよう。まこ、あと5分‥‥』



「だ〜めだって!新学期から遅刻するよ?」



『・・・』



毎日恒例の朝


私、水波葵と今私を起こしに来た橘真琴は幼稚園の頃からの幼馴染み


家も近くて、幼稚園も、小学校も中学校もずっと一緒に育ってきた。


今日から高校2年生


もう10年以上の付き合いになる


小さい頃から面倒見が良い真琴は、いつも私のことを気にかけてくれて、世話を焼いてくれる


家族同士も仲が良いので、こうして私の部屋にも入ってきて、朝が弱い私のために起こしに来てくれる



「ねぇ、葵。本当に時間ないよ?」



『ん………』



「はぁ…」


なかなか起きない


寝返るたびにルームウエアがずれて腰が見える。


短パンから白く長い脚が目をひく
『まったく、このお姫様は…毎朝俺のことを煽って』



「それでも起きないなら






キスするよ?」



ギシっとベッドが軋む音に、ハッと起きようとしたが遅かった


『…んっ……』


両腕をしっかり捕まれて、覆い被さってきた真琴にキスをされる


『んっ……まこ!んぅ……』



「……ん…葵」


深く重なり合い、息もままならない


舌が侵入してきて、濡れた音と激しくなる息づかい



『んっ……ぁっ』


真琴の唇が首筋に降りてくる


『ちょっ…まこ…と』


首筋をなぞる感触と、真琴の手がお腹をなぞる感触


『ダメ……真琴…!』



「目、覚めた?」


やっとキスが終わり、『はぁ』と息を整える


『もう!お母さんたちいるんだよ?』


「だって、起きない葵が悪い」


まだ、覆い被さったまま、甘い声で言う真琴


「それに、葵だって、期待してるでしょ?毎朝」


『なっ、期待してないもん!』


「はいはい、ほら、学校行くよ?」


まだ、ドキドキしている私の手を引いて、ゆっくり起き上がらせてくれる


「着替え、手伝う?」


『もう!自分でできる!』


「じゃあ、廊下で待ってる」


軽くおでこにキスをして出ていく


「はぁ、やばかった」




『もう……朝からドキドキした』


高鳴る胸を押さえて、制服に着替える


『顔、大丈夫だよね』

頬の赤みが引いたのを確認してから、ドアを開く


壁に寄りかかっていた真琴が、ふと顔をあげた


「うん。可愛い」


『そ、そんなことない!』


恥ずかしさから、さきに階段を下りていった。


幼馴染みから恋人の関係になったのは、2年前。

中3の時だった
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ