短編

□公園での一時
1ページ/2ページ


神楽は、戸惑っていた。

ーーーー自分の隣で眠りこける憎きサドヤローに。


(・・・何でこんなコトになってるアルか)


そもそも神楽は、公園に来るつもりで外に出たのではない。

駄菓子屋に行こうと公園の近くをとおったら、ベンチに座る栗色のサラサラヘアーがみえたから攻撃を仕掛けようと思っただけだ。

そしたら、寝てた。そんだけ。


・・・それなのに。



いつの間にか、沖田の横に座っていた。



(何でこんなことになるアル。
 何で私がこんなヤツの隣に座らなきゃならないアル。
 ・・・いや、勝手に座ったのは私アルけど・・・
 あれ?何で私コイツの隣座ってるネ。)


もう自分でも何がしたいのか分からなくなってきた。

ふと、神楽は沖田の顔を覗いてみる。


(・・・案外コイツ綺麗な顔してるアルな。)


沖田がモテるのは、聞いたことぐらいある。

初めは、こんなドSヤローが女にモテる訳ないアル、と馬鹿にしてたけど。

ーーーーベンチによっかかって眠る沖田は、確かに見られる顔をしていて。


(・・・告られたりとか、すんのカナ)


何故か少し、心が痛んだ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ