世界政府の鴉

□師匠との絆
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あれから8年…
リーフは11歳になっていた。
これまで、ドレークと共に厳しい修業を経て、だいぶ強くなっていた。
身長も伸び、まだ身体は子供のあどけなさを残してはいるが、それより先に薄く筋肉がついてきた。


ドレーク「次は現役海兵500人抜きだ!!隙をつかれた時点でゲームオーバーだからな!!」

リーフ『はい!お願いします!』

その掛け声とともに、500人の海兵がいろんな方向からリーフに向かって行った。


海兵「「ウォォオーー!!」」


だが、リーフは慌てることなく静かに目を閉じていた。


そして…
スッと目を開くと、持っていた長く白い日本刀で音もなく攻撃を食らわした。
一瞬のうちにその大勢の中から抜け出すと、静かに剣を鞘に収めた。
それと同時に、500人の海兵は全員倒れた。



ドレーク「…見事!!」

リーフ『ありがとうございました』

月日が経ち、ほとんどの時間をドレークと過ごしたというのに、その性格が変わることは無かった。
冷静沈着。誰かに懐くでもなく、選んで嫌うわけでもなく。
相変わらず、その目に光が宿ることもなかった。




ドレーク「そろそろ休憩にしようか」

リーフ『はい』

それから2人は、少しの休憩を取った。






海兵「ドレーク少将!ドレーク少将はおられますか!」

海兵本部の中から海兵が1人慌てた様子で走ってきた。

ドレーク「どうかしたのか?」

海兵「世界政府の方からお電話です!」

ドレーク「おぉそうか、すぐに行く。リーフ、そろそろ昼だし、先に昼食を取っておけ」

リーフ『わかりました』

そう言うと、ドレークはニコリと笑って本部に入って行った。











プルプルプル…

プルプルプル…

プルプル…ガッチャ…



リーフ『はい。リーフです』


ーーーーーーーーーーーーーーーー

ドレーク「はい、変わりました。ドレークです」

役人[ドレーク少将か。今そちらにセンゴクとガープはおられるか?]

ドレーク「いえ、今日はセンゴク元帥とガープ中将。それにおつるさんは天竜人の付き添いとのことで出張しておられます」

役人[そうか…よし]

ドレーク「(よし?)あの、何かセンゴク元帥にご用事でしたか?伝えておきますが」

役人[いや、今日は君に用があるんだ]

ドレーク「私に…ですか?」

役人[あぁ。こちらの仕事で人数が足りなくてな。君、何人か海兵を連れて来てくれはせんか?]

ドレーク「そうでしたか!わかりました、ただちにそちらへ向かいます」

ガッチャン…

ドレークはこのことを伝えるため、リーフのところへ向かった。










ドレーク「昼食は食べ終えたか?」

リーフ『はい。最低限の栄養補給をしました』

ドレーク「またそんなことを言う;;時々は好きなもの食べるんだぞ?」

リーフ『そんなことより、何のお電話だったのですか?』

ドレーク「そうだった!先ほど政府から呼ばれてな、至急マリージョアへ向かうことになったんだ。だから今日の練習は他の海兵に任せる」

リーフ『…わかりました』

ドレーク「ちゃんと言うこと聞くんだぞ?」


そう言うと、早足で中庭を去ってしまった。

海兵「よし、それじゃあ初めましょうか!まずは君がどこまでのレベルなのか知りたいから手合わせでもしようか!」

リーフ『あなた方外部の人間は…私のことをどう聞いているのですか?』

海兵「え…外部?俺は、海軍で保護した孤児だって…だから、強くしないといけないって聞いてるけど」

リーフ『…そうですか』

海兵「それが、どうかしたのk((ドッΣ!!
ガハッΣ!!」

海兵が話し終わる前に、リーフは腹に拳をねじ込んだ。
たまらず吐血し、海兵はその場に倒れこんでしまった。

海兵「何…おっ;;グッ;;」

リーフ『あなた手合わせがしたいと言いましたよね?これが結果です。悪いですがあなたにはしばらく眠っていただきます』

言い終えると、もう一発腹を殴った。
海兵は力尽き、気を失った。
リーフはその海兵を近くの木に隠すと、中庭の塀を飛び越え本部の外へ向かった。



ーーーーーーーーーーーーーーーー


ドレーク「それにしても…沢山書類があるのですね;;」

役人「すまないな、さすがにこの量は追いつけなくなってしまった。役人が海兵を呼ぶなど情けない…」

ドレーク「いえ!あなた方は私たちよりも色んなことをしていらっしゃいますから、お忙しいのもお察しします。いつでも呼んでください」

量が多いとは言え、きっちりしたドレークと、その部下である。
なかなかスムーズに仕事ははかどっていた。



ただ不思議に思ったことは…何の書類なのかわからない。
ただひたすらハンコを押していた。
先ほどドレークはあんなことを言ったが、実質政府の役人がやっていることなどこんなものだ。
これだけでお金が手に入るのだから楽であろう。と、思った考えをドレークは押し殺した。




その時。

プルプルプル…
プルプルプル…



ドレークの持っていた電々虫が鳴き始めた。

ドレーク「本部からかな?」

プルプルガッチャ…

ドレーク「はい、こちらドレーk[ドレーク少将!!!リーフが…リーフが脱走しました!!]

ドレーク「何Σ?!どいうことだ!脱走だと?!!」

海兵[中庭の影にリーフの訓練を担当したと思われる海兵がのびているのを発見しました!!]

ドレーク「わかった!すぐそっちへ向かう!その海兵の介抱を頼む!」

ガッチャン…

ドレーク「くっそ…!何でこんな時に;;」

役人「こんな時…だからこそじゃぁないのか??」

ドレークは役人を見た。
その顔は、笑っていた。

ドレーク「どういう…意味ですか…?」

役人「そのままの意味だ。リーフはお前を利用価値がないものとでも判断したんじゃないのか?最近訓練が甘ったれているそうじゃないか…そんなんで現地で使えるかどうか考えているのか?」

ドレーク「何か…知っておられるのですか?」

ドレークは少し怒りをまとって役人を見つめた。
その表情に、役人は笑いを隠せないでいた。
ドレークの部下たちもその手を休め、緊迫した空気に冷や汗を流していた。



ドレーク「お答えください……リーフはどこへ行ったのですか?」

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プルプルプル…
プルプルガッチャ…


リーフ『見つけました…四皇…ビッグマム!!』
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