Ag魂

□やりたいことやるために、君は生まれてきたんでしょう
2ページ/4ページ


ドンッ


「うわっ……!」

「ああ、すまない。怪我はないか?」



落ち着いた男の人の声が頭上からする。

恐る恐る顔を上げると、大きな笠から伸びる長い髪、白い肌に目がいった。



「真選組か……」

「あ、桂小太郎」



捕まえるべきなのか迷う、迷ったけど……いや、迷ったんだからいいよね。

警察合格合格。


検挙成績よりも、私の好奇心が優先する。



「あの、ちょっとお茶でもしませんか!

お給料入ったんで奢りますよ!!」


「?そうか、ではお言葉に甘えるとしよう。

小さな女隊士殿」



ふふ、と女みたいに上品に笑って、桂は私のあたまをぽんぽんと撫でた。


今まで土方とか近藤さんがしてきた乱暴なソレじゃなくて、桂のそれはとても優しい。





ところかわって小さな茶屋まできた私たち。

ここは奥に個室もある。


席について、一息すると、桂は言った。


「で、こんなところで何をするつもりだ?

俺はそう簡単には捕まらないがな」



アッハッハ、と笑う桂。

バカだろコイツ。



「もう、捕まってるじゃないですか」


「なぬ!?」


「まあまあ、落ち着いて。

団子かパフェ奢りますよ、どっちがいいです?

あ、お茶はお抹茶でいいですか」


「むう、どちらにするべきか。

隊士殿はどちらにするのだ」


「私はね、パフェにします」


「そうか、じゃあ俺は団子にしよう」


「別々のにするんですか?」


「そうすればどちらも食べれるではないか」



気づけば私は笑顔で桂と会話していた。

なんだろう、今までの人とは違う気がする。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ