Ag魂
□やりたいことやるために、君は生まれてきたんでしょう
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真選組一番隊副¢熬キの沖田という奴は、実は女隊士だ。
平隊士たちには伏せているが。
一番隊隊長沖田総悟の妹である彼女が、どうして女人禁制のこの真選組で働いているのかというと、それは彼女の性格に問題があった。
「副隊長ォォォォォ!!!またサボリですかアンタらは揃いも揃って!」
「山崎ぃー、人生はやりたいように生きたもん勝ちですぜ」
「それ今朝の沖田隊長と同じ台詞ゥゥゥゥ!」
屯所を出ようとしたとき、彼女はひとまわり大きな腕にがっしりと掴まれた。
「どこ行く気だ?」
「よお土方、万事屋の神楽ちゃんとでも遊んでこようとしてたところでさァ」
「俺上司だから!呼び捨てやめろ!
しかもお前年下!!あと仕事中だこのやろう」
「相変わらずちっちぇえ男だなァ、死ねよ土方コノヤロー。
そして姉上のとこでもさっさと嫁げ」
「嫁ぐのは向こうだろうがァァァァ!
俺ァ男だ!!!」
「知ってるよ。
いくらなんでもそんな瞳孔開いたマヨラーでニコチンのクソチン女なんていねぇよ」
「なんて言葉使うんだテメェは!」
女なんだからもっとしおらしくしろ、と頭を叩かれる。
その行為も言葉にもどっちにも苛つく。
女なんだから?性別によって生き方が変わるの?
あー嫌だ嫌だ、狭っ苦しい世界だなあ。
「完璧な生き方なんてできないんだよ、土方ァ」
なにかを悟ったとか、経験したとかじゃないけど。
私の持論はいつも誰かを救ったり、ときには自分自身を救ったりしてくれた。
これは姉上にも総悟にも教えてもらってない、私が考えたもので。
おい!!!という怒鳴り声が背後からしたが、構わず私は走り出した。
「(やっぱ神楽と遊ぶのはまた今度にしよ、疲れちゃった土方のせいで)」