短い夢物語

□代償
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「ちょっと!ルイ!!」

仕事の帰り、同期の千姫に呼び止められた。何だか、とても興奮…いや、憤慨している…。

『どうしたの?そんなに興奮し「落ち着いて居られないわよ!」……彼処のカフェでイイ?』

カフェに入るとすぐにスマホの写真を見せられた……そこに写っていたのは…

「…ルイ…確か、原田さんと婚約してたはずよね?…これはどういうこと?」

千姫が見せてくれたのは…左之助さんと手を繋ぐ知らない女性。スライドさせていくと…ベッドで仲良くツーショット、手を合わせペアリングを写したモノ…

『……せ、千姫…、この人って…』

「…私の友達、雪村千鶴。新しい彼が出来たって言うから写メ頂戴って話したら、これが。……ルイ、悪いコトは言わないわ…『大丈夫。』…ルイ……」

千姫には大丈夫って笑顔で答えたけど…本当は…。左之助さんに裏切られた…いや、この感情は…どうすればいいの?左之助さんに話す?…式場も新居も……頭の中がグチャグチャで…築き上げた信頼がガラガラと音を立てて崩れた。

どれくらい道を歩いたかわからない。千姫と別れてから時間はかなり過ぎたとは思う。夜の街を1人歩くのは久々で…隣には必ず……

『……っ!…』
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