短い夢物語

□さ、寝ましょう?
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私が新選組から離れてもうすぐ半年…。彼等はまだ新政府と戦っている。一緒にいた頃の平穏な日常は、桜のように散ってしまった。今でも思い出す、楽しかった日々…。彼等は今、何を想い戦っているのか…。

「……ルイ。また此処にいたのか…」

『…風間さん…』

西本願寺で羅刹に襲われた私を助けてくれた風間さん…。本来なら雪村さんと一緒になりたかっただろう…。

「何度申せば良いのだ…お前ももうじき、風間になるのだぞ?」

『…本当に私でいいのですか?……雪村さんと一緒に「お前がイイ」……ぇ……?』

「ルイが良いのだ…お前でなければならん…。」

そう言って風間さん…いや、千景さんに抱きしめられた。気のせいか、千景さんの手が震えていた。

『…寒いの「違う」…どうかなさったの?』

「……お前がまた新選組の奴等の元に戻ってしまいそうで…怖いのだ……」

後ろから抱きしめられているので表情はわからない…でもきっと…不安な心に押し潰されて泣いているのかもしれない。千景さん?私はあなたのそばに居ますよ?

『…さ、夜も更けて来ましたし…寝ましょう?千景さん…。一緒の布団で。』

不安な心は拭い去って下さいね…いつ迄も一緒ですよ?千景さん。

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