落花流水
□初夏の眩しい陽射し
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ルイが通う学園に呼ばれ春と2人廊下を歩いていた。事務所に主題歌のオファーが来た時は俺たち皆が固まった。ルイから聞いた話と似た…いや、同じ話の内容のドラマを作るらしい。俺はこの話を受けるか悩んだが、春が二つ返事で引き受けた。
「彼女の心の内を表現出来るのは…俺たちしか居ない。」
だって。ホント、男らしいよ。
会議室に入ってみるとヤッパリ彼女は居なくて、春が電話している。
「……It's I. I'd like to meet now,where are you?………………I see. I'll go immediately.」
カタンと席を立つ春を追いかけようとしたとき、振り向き視線をある男に向けていた。……きっと彼が土方歳三。花魁の想い人。
「あ、神堂春…折原夏輝。」
「……主題歌担当らしいな。」
有名人に出会してんのに妙に落ち着いてんな、総司と斎藤は。…あれ?こいつらの就職先って確か…白桜グループ系列?だよな
「仕事上、守秘義務もあるだろうから有名人を見たぐれえじゃ驚かねえか。」
「あれ、左之さん…ウチのCM見たこと無いの?あーそーなんだ?つめたいね?」
ん?CM?
「忙しいのだろう。……白桜グループ系列、全てのCMに起用しているのはJADEの楽曲です。更に彼等のメインスポンサーは白桜グループ。今年の4月からそうなりました。よく本社に来ますよ、彼等。」
……驚いて口が塞がらねえ。白桜グループなんてどでけえスポンサー、味方につけるなんて。そしてそのスポンサー様はウチの大元……事業数はどれだけか。ふと、疑問が浮かんだ。
「なぁ、斎藤。一つ尋ねるが……白桜グループのトップってどんな奴だ?」
俺の一言で2人が固まった。何か悪いこと言っちまったのか?
「……左之さん、僕らを路頭に迷わす気?」
「…………総帥に関して話す事は禁じられている。入社時、契約を結んだ。違約金は1億「い、1億!?」……そうだ。到底、払える金額ではない。申し訳ないが、話せん。」
トップシークレット、か。
でも何故か、どうしてか、気になるんだよ…。総帥がどんな奴なのか……。