水とな

□招かれざる客〜part3〜
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カーテンの隙間から
強い陽が差して
目が覚める

腕に愛しい人の重みを感じる

もう、何時だ?
時計を見るとお昼を過ぎていた

贅沢な朝どころか
贅沢な昼だな

スヤスヤ眠るとなみから
腕を離し
リビングに出る

部屋着に着替えて
テレビを付けて
お水を飲む

冷蔵庫にフルーツを冷してあったな
となみが起きたら一緒に食べよう

「ピンポーン」

え?オートロックの
このマンションで
チャイムを鳴らすのは
隣のおばちゃんか
ロックを解除できる友人だけだ

ハマコか?

画面を見ると
ハマコがドアップで大きく映る

ハマコ「おはよーーー!となみの分もご飯買ってきたよー♪」

チェーンロックを外してドアを開ける

水「なんで、邪魔しに…」

驚いた。画面にはハマコの顔しか
見えなかったけど
キムにゆみこにテルにひろみ…

え?
aqua5の取材無くなったから?

まてまてーい

ずかずかと
入っていくハマコに
お邪魔しますと後輩達

ハマコ「人質はどこだーとなみー」
水「待って!」

慌ててリビングへ追いかける

水「お願い!ちょっと静かに!」
ハマコ「ど〜よっかな〜?」

水「お願い!本当にお願い!」

必死に頼む姿が恥ずかしい
ハマコやみんなにニヤニヤされる

水「待て待て!ちょっと、動かないでとりあえずみんな座って」

とにかく焦る私を見て
ゆみこがついに笑う

水「勝手に押し掛けといて笑うな〜」
彩「すっ、すみませんっ。」

みんながソファーに座って
落ち着いたところで

私がさっき出た時に閉めなかった
寝室のドアが少し空いている
遮光カーテンがあって薄暗いから
中は見えなくて良かった

急いで寝室のドアを閉める

その行動をみんなに見られて
またニヤニヤされる
私もソファーに座って問い詰める

水「で?誰がこんなアホなこと思い付いたわけ?今日は普段みたいに気軽にアポなしで来て言い分けないでしょ?言い出しっぺは?」

素直なみんなはバッとハマコを見る

水「はーまーこー昨日から邪魔ばっかりしやがって〜」

ハマコ「違う違う、みんなだってノリノリで付いてきたんだよ〜悪い悪い」

音「本当にすみませんっ、アクアの予定が無くなって、ランチと聞いて付いてきてしまいました。」

テル「となみの寝顔を見にじゃなかったんですか?」

彩「ちょっ、直球すぎる!バラさないでよテル〜」

ハマコ「ダメじゃん。それ言っちゃ」

水「で?ひろみ以外はその変な目的でご飯を餌に来たわけね?却下。とりあえずご飯食べたいハマコ」

ハマコ「オッケー、で?姫はしばらく起きてこないの?」
水「朝方寝かせたから、まだ起きないかも」

ハマコ「うっわっ、ご馳走さまでした」
彩「うわわっ」

キムとひろみが顔を真っ赤にする
テルはCSに夢中だ

ハマコ「うわっ、美味しそう。何このフルーツ盛り合わせ」
水「あぁ、となみが朝食べようって。作ってくれてた。となみの分ちょっと残してみんな食べて良いよ。」

ハマコ「じゃあ煮物サッと作るから、待ってて〜」

みんなでフルーツを食べながら
アクアの仕事の話をしたり
公演の話をしたり
テレビを見たりして
いつものように過ごした

水「ぁ、キム。ごめん明日までルルー預かってくれないかな?」
キム「もちろん!良いですよ♪となみ、なんか予定です?」

水「今日も泊めたいから」

キムが顔真っ赤

彩「あぁ〜溺れてますねぇ〜」
水「悪いけど、よろしく。」

ハマコにバシッと叩かれる

ハマコ「何あんた、こんなに溺れてるの初めて見たんだけど。」
水「はいっ、すみませんっ。」

自分でもそれは思う

テル「となみだから、しょうがないよ。」
ハマコ「だから、何様なのっこのこのーっ美形だから許すけど。」

ハマコのご飯が並べられていく
煮物にご飯に味噌汁に野菜炒め

お腹を空かせた後輩達が
目を輝かせる

飲み物を取りにキッチンに向かうと
寝室からガタッと音がする
お腹を空かせた狼達が
寝室のドアをジロリと見る

ドアが少し開いて
焦ってリビングに戻る

水「となみっ」
白「ぁっ、みずさっ」

寝室のドアから
寝ぼけながら
潤んだ瞳で
私のパジャマの上着だけを着て
胸元ははだけて
乱れたさらさらの髪
白く透き通る肌

キレイな白く長い脚を
片足だけ踏み出した時に

水「となみっ出るな」

キッチンからリビングへ走り
グラスをテーブルに急いで置き
寝室のドアへ走り
となみを正面から抱き締めて
寝室に押し戻した

リビングを振り返り
全員と目が合って
睨み付けた
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