散弾銃
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「僕は江ノ島君を部屋に運ぶ。」
そう言って、江ノ島を抱きかかえたまま体育館を去ったなまえ。
その後ろ姿を、不二咲はずっと目で追った。
体育館の扉が閉まった後、先程の出来事を鮮明に思い出す。
地面に大きく突き刺さった槍。
先程の光景を映していた、自分の瞳。
そこには槍が、江ノ島が、そして――それを抱きかかえている、なまえの背が。
不二咲の表情は怯え、震えていた。
冷や汗の浮かぶ顔は蒼白で、そして―――
ほんの少し、赤らんでいた。
不二咲は思い出しながら、そんな自分を責めた。
不謹慎で場違いだと、ほんの微かに残る冷静さが告げる。
それでも―――
勇敢で、強く、たくましい。
そんな“男らしい”なまえの姿
「……」
“格好良い”と―――そう思った。
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羨望と憧れ。
ところで不二咲君がもう堪らないのだけれd(自重