散弾銃

□03
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「この学校にある、未開放地を―――無条件で開放することだ。」



その瞬間、モノクマはピタリと動きを止めた。
ゆっくりとした動作でなまえと向き合い、見下ろす。


「……」


不穏な空気に、差すような視線。
なまえは霧のかかったような意識ではあったが―――早鐘を撃つような鼓動を、ありありと感じた。

誰も口を開かずに、静まり返っていた。



「―――まあ、いいや。」



沈黙を破ったのはモノクマだった。
その声はいつもと違い低い物であったが、次の瞬間には普段通りの調子に戻っていた。


「なんだ。結構つまんないお願いだね?でもいいよ、何でもって言ったからその願いは聞き入れるよ。僕はクマの中でも、責任感の強いクマだからね。」


緊張の糸が、解けた。


その瞬間―――なまえは、倒れてしまった。


「あらら?寝ちゃった?……あれ、起きてる。」


なまえは肩で息をしながら、目を瞑っていた。意識はまだ、残っている様だ。汗ばんだ額に張り付く前髪が痛々しい。よく見ると、シャツから覗く首筋や腕には、無数の傷があった。
モノクマはどこからともなく鍵を取り出すと、なまえの両手を拘束している鎖を外した。けれどもなまえは、少しも抵抗しなかった。……弱っていたのだ。離された直後、腕は容易くしな垂れる。


「学園長のお話し中に寝ちゃうとは!そんな悪い子にはこうだ、えい!」
「ッ……!」


モノクマは容赦なく、なまえを蹴った。
なまえの体は吹き飛ばされ、ステージを滑って落下した。


「っ!」


一番近くにいた石丸が、慌てて駆け寄る。どうにかなまえを抱き留めると、その体温の低さに驚いた。


「だ、大丈夫か?しっかりしたまえ……!」


石丸は何度か、なまえの頬を掌で軽く叩いた。けれども返事は無く、もたれる様に石丸に項垂れては、動かなくなってしまった。どうやら気を失ってしまったらしい。石丸に続いて、数人がなまえの元へと寄った。
その様子を瞳に写していた舞園は、覚醒するかのようにハッと大きく瞬きをすると、急いで駆け寄った。


「酷い……」


気を失っているなまえを見るや否や、舞園は冷や汗を浮かべた。そしてゆっくりと、その肩を摩る。


「えぇ〜、もうオマエラに用はないし、この辺で解散といたしましょう!愉快な仲間も増えた事だし皆仲良くね!そして、このコロシアイ生活を存分に楽しみましょう!!」


そういってモノクマは、一頻り笑った。
そしてそのまま、モノクマは姿をくらました。















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暴君モノクマ

  

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