散弾銃

□04
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「超高校級の手品かぁ、見たいなぁ……!」


不二咲はふわりと頬を染め、ワクワクしながら思いを馳せた。なまえはそんな不二咲に、微笑む。

「良いけど、お金取るよ?―――僕はプロだからね」


そして叩きのめすようなことを言う。


「えぇっ、ええぇっ」


不二咲は可哀想な程に動揺した。


「まあ、抜け目ないですわね。」
「はは、冗談だよ。」

目を丸くし、片手を口に添えるセレスに、なまえは笑った。



其々が、其々の会話を交わす。
そんな中、

霧切が不意に、口を開いた。










「―――ねぇ、」










鋭い声に、なまえは目を向ける。

するとそこには、じっとなまえを見詰める霧切の姿。
その表情は傍から見るとただのポーカーフェイスだ。


しかしなまえは――その瞳の奥の奥にある、疑念を見詰め返した。




「どうして貴方は、“未開放地の解放”なんて口にしたの?そもそもどうして、“未開放地”があると知っていたのかしら」


なまえはス、と目を細めたが、やがて―――苦笑した。


「簡単な理由だよ。僕は屋上を思い浮かべたんだ。屋上に出れば、きっと外へ出る手掛かりがあると。……窓はどうやら、塞がれているみたいだったから。」


そこでなまえは、記憶をたどる様に顎に手を添えた。


「それに―――日本の学校では、屋上は封鎖されているそうじゃないか。だからこそ、あんなお願いをしたのさ。……今思えばガサツな思考回路だけど―――余り、余裕がなかったんだ。」


眉を下げ、困った様に付け足すなまえ。


霧切はやや、混乱した。


どう見つめ返しても―――なまえの言葉に嘘が無いように思えたのだ。

……否、でも、もしかすると

そう思って神経を尖らせるものの
どうしても、偽装だという“勘”が働かなかった。


「……そう。じゃあ貴方は、1階以外のエリアは封鎖されていると知らなかったのね。」
「封、鎖……?」


ここで初めて、なまえの瞳に動揺の色がちらついた。



なまえは無意識に、隣に居る石丸を見上げる。


石丸は応えるように頷くと、口を開いた。




「ここ、寄宿舎の1階と、学校エリアの1階意外は、どうやら封鎖されているようなのだ。2階へと続く階段は確かに存在しているのだが……シャッターが、下りているのだよ。」


なまえは顎に手を添える。



「ねぇ、石丸」



思案顔のまま、もう一度石丸を見上げた。


「後で、案内してもらっても良い、かな」
「!―――勿論、最初からそのつもりだ。」


石丸は最初、一瞬だけ目を丸くした。しかし頼られた嬉しさに上がる口角を押さえ、姿勢を正すよう引き締めた表情で応えた。

なまえはもう一度、思案顔で目を伏せる。


「何?お前らもうそんな仲良くなってんの?」
「むむっ!今のやり取り、確かにインスピレーションが……しかし相手が石丸清多夏殿では……」


桑田はまだしも、

山田はどうやら不純な何かが思い付いたらしかった。


至極真面目であった石丸は、クエスチョンマークを浮かべる他にない。なまえに至っては聞こえてすらいないようである。



「で、でも、」


重い表情で何かを考えているなまえへ、不二咲がおずおずと口を開いた。


「なまえ君のお陰で、解放されるんだよねぇ……?」


その言葉に、大神が頷く。


「これでこの学園を脱出する手掛かりが増える可能性が広がるな……」
「うんうん!そうだね!!」


明るい朝比奈の声も相まって、食堂の雰囲気は明るくなった。

なまえもさっさと肩の力を抜いた所で、石丸の挨拶を区切りに今回の会議は終了となった。










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石丸君は頼られると
凄く喜びそうなイメージ。




そして山田君自重。
    
     

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