散弾銃

□03
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「江ノ島君?」


その声に、江ノ島はハッとした。


「どうした?……大丈夫?」
「……」


江ノ島は無言で目を逸らすと、立ち上がった。
急に立ち上がった江ノ島に、なまえは一瞬不思議そうな顔をした。しかし何も問わず、立ち上がる。


「あーあ。よっぽどショック大きかったのかなぁ。なーんかまだ、頭がボーっとしちゃうみたいなんだよねー。」


江ノ島はスカートを払った後、大きなため息とともにそう言った。その口調は、超高校級のギャルらしい、すっかり調子を取り戻したようなものだった。


「ちょっと部屋で寝てくるね。あっ、ここから先は一人で大丈夫だから。」


江ノ島はヒラヒラと手を振って、数歩踏み出した。
踏み出して、止まる。







「ありがとう。」





ぽつりとつぶやかれた声に、なまえは江ノ島の後ろ姿を見る。
江ノ島はクルリと振り返ると


「じゃっ!しばらく寝てくるねー!!」


ニッカリと、満面の笑みを浮かべた。
顔のすぐ隣でピースサインを作ると、そのまま踵を反し去って行った。


























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