□君と僕とあの人と………
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!Attention!

※遅いですが、27話ネタです
※黒子が乙女になってしまいました………




それでも大丈夫なら スクロールしてお進みください




















桃井と別れ、黒子は今来た道を戻って行く。
しばらく歩いていると、前方に何故か火神の姿が見えた。


「………帰るぞ」


「迎えに来てくれたんですか?」


「……ワリィかよ」


プイッと視線を外して歩き出した。
耳が赤くなっていることに、気付いていないのか。
ほんの少し、口角をあげると、火神のあとに続いた。
しばらく沈黙が続いていたが、黒子がポツリと呟く。


「…………新技」


「ん?」


火神は目線のみをこちらに向ける。 声が小さ過ぎて聞こえなかったのか、それとも分かっていて聞いたのかはわからない。
だが、黒子は歩みを止めることはなく、次の言葉を紡ぐ。


「桃井さんに見せました。青峰君の土産にしてもらうために」


「そうかよ……で、どうだったんだ?」


今、火神は黒子の方を見ている訳ではない。
帰り道をただ、真っ直ぐ見つめていた。
だが、絶対に話を聞こうとしている。

多くを語らずとも、相手が何を言いたいのか、分かるようになってしまったらしい。
黒子は少し考える様子を見せたが、すぐその意味を理解し再び口を開く。


「……驚いてました。完成したら、武器になると」


「なら、早く完成させねぇとな」


「はい」


そう、WCはもうすぐだ。
予選が終わる前に完成させなければならない。
でなければ、手土産として桃井に教えた意味もなくなる。
それに、予選には秀徳も出場する。
早く完成させなければならないことに変わりはない。

そんなことを考えていると、目の前にバスケのコートが見えた。
初めて1on1をした、決意を新たにしたあの場所が。


「…………火神君」


「…ちょっとやってくか?」


「はい」


今日のストバスが不完全燃焼だったのだろう。
火神は黒子の返事を待たず、コートの中に入っていった。

満足に出来なかったバスケを、目一杯このコートで楽しんだ。
試合もあまり出来なかったし。
これがバレたら、大目玉だろうが。

汗をシャツで拭い、受け取った飲み物を口に含む。
ふと、何を思ったのか、ベンチに腰掛けている黒子に尋ねた。


「……そういえば、黒子」


「何ですか?」


「お前、妹とか、その………あー………、あぁ、クソッ!」


「火神君、そんな事言っていたら、何もわかりません」


2号を抱きながら、呆れたような視線を火神に送る。
言いたいことは分かるが、ちょっとからかいたい。
こちらとしても、聞きたいことがあるのだから。





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