月詠の舞姫
□八
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「団体さん、ですね」
「ざっと見100ってとこか?」
突如目の前に現れた妖怪達。いつもより数が多い……いや、西域に近付くにつれて数も戦闘力も倍以上になっていっているのは間違いないだろう。
「一人頭、どれ位だ?悟空」
「えっと、えっと……100÷5だから…に、20」
「よく出来ました!悟空様」
「へへっ…って俺何か馬鹿にされてねぇ?」
「気のせいですよ。突然ママが出来たくらいです、ね?三蔵」
そう言った八戒さんに、銃声の後「俺に振るな」
と応えた三蔵様の表情は見えなかった。
八戒さんが説明した通り、今日は団体だった。自分たちのノルマを決めていつも通りに皆で戦っていた。
時折悟浄さんや悟空様に弾丸が飛ぶのは最早当たり前で、苦笑しつつ飛び道具系の三蔵様のフォローに回っていた時だった。
「?」
木陰に妖怪とは別の気配を感じた。
人間…のだと瞬時に判断したから油断したのか。数珠の様な音が聞こえた瞬間、意識を失ったのだ。
最後に聞えたのは大きな舌打ちと、数発の銃声と私を呼ぶ声だった。
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