宵闇と私の一週間

□1日目
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「わーびっくりした」

「きゃっ!」


声を発したのはほぼ同時だった。
私が蓋を開けた途端、中から黒い人が出てきたのだ。



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「えっとつまり……宝物庫荒らしではない、と?」

「信じてもらえない?」


突然宝物庫に現れた、現代日本ではあまり馴染みのない黒い法衣に胡散臭い笑顔にと厭らしい喋り方。

「信じろ」と言う方がおかしい話しではないだろうか?

だがその怪しい男を家に上げ、剰えお茶を出している私もどうかしていた。


「君名前は?」

「私は名無しさん。ってそうじゃなくて……」

「僕はねぇ……何にしようかな?」


見れば見るほど不思議なのに、何故かその黒い人に酷く惹かれたのだった。


「烏さん、ここじゃないとこから来たの?」

「"烏"?」

「だって名前教えてくれないから。今から名乗ろうとしてるのだって、本名かわかんないし……」


空になった湯のみにお茶を注ぎながらそう言うと、近くにあったお茶菓子に手を付けながら彼は笑った。

その笑いは先程までの会話や言動、どれと比べても現実味があって……それと同時にやはりかれは"烏"だなと思った。



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