宵闇と私の一週間

□3日目
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「三蔵…様?烏さん三蔵って名前なの?」

「名前って言うか…職業?」
どうせ元いた世界に帰ったら一生会うことはない子だ。

そもそもここに僕がいるのだってイレギュラーなんだから少しくらい僕の事を話しても罰は当たらないはず。


「じゃぁ、三蔵さんって言うのは何をする人なの?」

「お坊さんかな?」


相変わらず名前を聞こうとしない彼女に少しだけ不信感を覚えた。


「そっか!」

「信じてくれた?」

「うーん…私のおじいちゃんもお坊さんだから。ハゲじゃなくてもいいんだなぁーって思ったくらい」

「名無しさんのおじいちゃんもお坊さんなの?」

「うん。三蔵って言う名前なんだよ」


偶然だろうか?
いやでも同じ僧侶だとしたら三蔵と言う名前くらいは知っているだろう。

これはもしかすると……


「……でも」

「?」

「烏さんのこともっと知りたいけど、知りたくない」

「どうして?」

「烏さんのこと好きになりたくないから……かな?」


えへっと笑った彼女に釣られて自然と笑顔になった。
人を惹きつける笑顔が誰かと被った。

それと同時にただ純粋に"好き"と素直に述べられたのが久し振り過ぎて年甲斐もなく戸惑った。



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