宵闇と私の一週間

□5日目
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「ただいまー……」


期待した返事は聞こえず、ただそこにはいつもの日常が広がっていた。


「あれ?烏さん?」


あれほど嫌がっていた…いや、本心で嫌がっていたかは不明だが、何だかんだで私が高校の家庭科の時間に作ったキャラクターもののエプロンを身に付けて、主夫です!とでも言う様におたまを持って出迎えてくれていた烏さんの姿がなかった。


「お洗濯?」


裏庭の物干し竿がある所に行けば、シーツが干してあったが、彼の姿はなかった。

自宅をぐるっと表側に回るとお寺の境内では子供たちがいて、時々そこで烏さんさんも……


「あ、れ?」


「あれ?なんで?どうして?」


いつか烏さんは帰らなきゃって分かってたけど、それってこんな突然なの?

何の前触れもなく消えちゃうの?

目的のモノが手に入ったら用なしなの?

持っていた肉まんの入った袋をドサリと落し膝から崩れ落ちた。


「どーしたの、こんなところに座っちゃって」

「……へ?」

「これ、買ってきたの?」

「う、うん……?」


あれ、帰ったんじゃ……と問い掛ける前に大量の買い物袋が目に入った。

そう言えばそろそろ町内で子供会を開く日取りだ。
だとすると腰が悪くなったおばあちゃんの代わりに買い物にでも行ってくれたのだろう……買い物袋に入った大量の折り紙や文房具セットも頷ける。


「そんな泣きそう顔しちゃって……襲っちゃうよ?」

「うん。帰ってきた……おかえり……」


もう少し……

後もう少しだけでいいから、烏さんと居させてください。

誰に願うでもなく、近くにしゃがみこんだ烏さんの服の裾を掴んだ。





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