短編、番外編

□最中
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「あ、ここの団子美味しいんだって。ほら」

「それよりも肉まんの方が好きでしたよね?」

「……あ、あの……」


左側から団子を差し出され、右側からは半分に割られた肉まんを差し出された。


「お嫌いでしたか?」

「おかしいなぁ…あんこじゃなくて胡麻派だった?」

「そ、う言うのではなくて……」


やっと私の話に耳を傾けてくれる気になったのか、こちらを見てくれたのはいいのだが……


「ん?」

「はい?」

「えっと…えっとですね……。」


種類の異なる整った顔立ちに同時に見詰められて戸惑うなと言う方がおかしい話しだ。

自分でも顔が沸騰していくのがわかるが、片方は確信犯的に、はたまたもう片方は天然の自然体で私に近づいて来た。


「奢られ、慣れて……ないんです……。」


だから遠慮します。

と言おうとしたが、それを言う前に二人は顔を見合わせて笑った。


「それは、嬉しい限りですね」

「そうだね」

「?」

「だって……」


"男慣れしてないってことでしょ"


と極上の艷やかな笑みで囁かれたのだから……更に頬を紅潮させてその場に崩れ落ちたのは言うまでもない。

私を魅了して止まない異なる魅力。

どちらに捕まってしまうのだろうか……。




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→あとがき
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