短編、番外編
□続 変わらない瞳
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「僕の可愛いウサギちゃんは、こんなとこで何してるのかな」
猫の様に丸まって僕のベッドに眠る名無しさんを見下ろし溜め息を吐いた。
寝ている間にはだけてしまったのか、白衣の隙間から覗いた白い肩に舌を滑らせると甘い味がした。
そう言えばいつだったか、旅をしていた時に見付けた色街の名物娘。
桃娘(たおにゃん)と言うらしく、生まれた時から桃しか食べさせないと全身が甘くなるらしい。
勿論愛液しかり。
だが寿命は短いらしく、大量生産は難しい様だった。
「ウサギちゃんは、彼女達より甘いなぁ…」
「ンぅ……」
すっと指を腰から滑らせて、下着を纏わない肢体をなぞっていく。
ピクリッと身体は反応を示すものの、当の本人は眠りから目覚める事はなくいまだにスヤスヤと寝息を立てている。
それをいいことに手を脚の間に伸ばした。
「ふ……ンっ」
「ウサギちゃん。起きないと僕が食べちゃうよ?」
「ウサギちゃんじゃな……ひゃっ…」
誰にも触れられたことがないであろう花弁に指を少し沈め、もう片方の手は彼女が着ている白衣のボタンを取った。
「うこくさま、おしごとおわりなの?」
「終ったよ?どうかしたの」
「ううん。かみがね、ばさーってなってたから……名無しさんのすきなうこくさまだなって……」
「くっ……はははっ!!」
自分のされていることの意味もわからずに無抵抗のまま僕を受け入れようとする無知な彼女に、欲情似た独占欲が湧きあがった。
このまま何も知らなければいい。
彼女の初めては全て自分のモノ。
「食べちゃいたい」
「うこくさまならいいよ」
「いいの?」
「うん。うこくさまのことだいすき……じゃなくて、えっと、えっと……?だいすきよりもっとだいすきだから」
起き上がったかと思ったら、ギュッと抱きつき上目遣いに僕を見た。
「愛してるって言うんだよ?」
「あいしてる?そっか。うこくさまあいしてるー」
「…僕も、かな」
嗚呼。
本当に嫌になるよ。
無知なキミも汚れた自分も……。
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