HQ!夢小説

□夕焼け
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私が菅原くんに告白して2週間と少し。もうそろそろ想いに諦めもついてきた頃だ。片思い期間が長すぎたためか諦めはそう簡単についてくれなかった。

結局あの後。私が菅原くんの背中を押したあと菅原くんは佐々木さんに告白したらしい。今ではめでたくカップルだ。美男美女カップル。二人が一緒にいると花が咲いたようなそんな幸せそうな空気が漂う。それを見るとこれでよかったんだと思えたり。

菅原くんとは今でも普通にしゃべる。はじめはぎこちなかったものの菅原くんは優しいから逆に遠慮をしないでくれたんだと思う。でもそれよりも澤村と仲良くなった。私の片思いに気づいてたらしい。澤村は終わったあと泣いてた私を泣きやむまで見ててくれた。何も言わずにただ見てた。友達の前でもなく澤村の前で泣いたことは少し恥ずかしかったけど澤村がいてくれてよかった。だからこんなに早くあきらめがついたのだ。澤村も菅原くんとは違う優しさがあって、バレー部からお父さんと呼ばれてるって話を聞いて確かにそうだなと。包容力ある。この前だって気分転換にと遊園地に連れていってくれた。比較的に男子みたいな付き合いをしてきたので発散がてらにバカ騒ぎをした。とても楽しくて一日中菅原くんのことが頭から抜けてた。あの日から菅原くんのことを考える日が格段と減った。逆に澤村のことを考えてしまって困る。...まさかそんな。私はこの前まで菅原くんに恋してたはず。なのに今は澤村が気になる?いやいやいやそんなはずない。あってはダメだ。菅原くんにも澤村にも軽蔑される。

「華奈」
「えっあっ澤村。何?」
「今日部活ないんだけど帰り坂ノ下行かね?」
「あぁ、行く行く...って帰り?」
「おー。一緒に帰んべ」
「え、あー、うん、分かった」

じゃあ後でな、と言って去っていく澤村を見ながらこれでいいのだろうかと考える。いままで澤村にはたくさん助けてもらってきた。そろそろ独り立ちする頃ではなかろうか。そうだ帰りに言おう。もう大丈夫だと。いろいろと優しくしてくれてありがとう。澤村のおかげで立ち直れたよって。
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