☆カゲプロ小説☆
□これも夢。
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僕は昨日と同じ公園に来ていた。
そしてまた同じ話をしている。
このやりとりは何度しているのだろうか。飽きてしまったが、大好きな君といられるのなら別にいいとさえ思える。猫が好きな君は、今日も猫を膝に乗っけて、ふてぶてしく呟く。
「でもまぁ、夏は嫌いかな、」
僕も嫌いだ。でも、この繰り返す日々のほうが嫌いだ。
でも君はまた一日が回ってきて、同じような日々を繰り返してるとしか思ってないんだろうな。
時計を気にしながら、チラチラと横断歩道を交互に見る。
「あんた、何してんの?話聞いてる?」
「え、えぇ!?あ、うん、きいてるよ!」
突然声をかけられたからびっくりした。
その瞬間、時計の針が12:30の位置を示し、ねこがうごく。
あ、と思った時には遅かった。
「あ、ちょっと待ちなさい!」
ヒヨリが猫めがけて走っていく。
僕が待ってと言っているのも聞こえていないんだろうなぁ。
そして…君はいつもどおりの場所で死んでしまう。
猫は生きてる。
もう、こんな日々…
僕はもう繰り返したくない。
だから僕は決めたんだ。
「ヒヨリ…ゴメン、許して。荷物持ちは僕の他にいるから、」
一人で喋りながら、いつも通りのヒヨリの行動を、僕が代わりにするように、ヒヨリを押しのけ、道路に出る。
容赦無い勢いで、僕に迫ってくる。
最初からこうすればよかったな。
じゃあね。しばらくお別れだけど、これでいい。
ヒヨリの後ろに、陽炎が揺らめいてるのが見えた。
僕はそれを見て嘲笑いながら、
「ざまぁみろ」
と告げた。
僕の意識は途絶えた。