☆カゲプロ小説☆
□誕生日
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誕生日とか言うのは、自分が生まれた日であって、みんなに祝ってもらうものだよな。
大事な日と分類される誕生日と言うのは俺に関係ないのだろうか、?
時計の針は午後10:47を指している。
マリーがべッドにつき、おきてるのは俺とシンタロー、カノ、セトだ。
そう、今日は俺の誕生日だった。
お正月で、朝から雑煮だのおせちだの、さんざん人を働かせておいて、挙句の果てに羽根つき、こまなどをやらされて、午前はクタクタだった。午後は午後でキサラギが出る番組にゲストとしてみんなで出演した。もちろんキサラギの要望でだ。自分から行くわけがない。
そして夜ご飯は外で食べることになり、二時間待ち、番が回ってきた。
なのにマリーは飲み物をこぼし、コノハはジュースを混ぜまくり、もう大惨事だった。
その前の俺は、
「誕生日を誰か祝ってくれる」
と淡い希望を持っていた。
だが、そんなことを考える暇もなかった。現在アジトに居るが、もう祝ってくれだの、そんな考えは消滅していた。
あるのが頼むから静かにしてくれという願いだけだった。
「んじゃ、俺寝るわ…」
シンタローも睡眠につく。
セトはバイトに行った。
カノと二人きりなんて、なんて最悪なシチュエーションなんだろう。
「随分と暇そうだねぇ。なんかする?」
カノは俺が暇だと察したらしい。
そんなことはないのだが。
「俺は今忙しいんだ。こうやって静かにすることで大変なんだ、話しかけるな。」
「なんか喋ろー?」
コイツしつこいな…、
時計が12時を指そうとするとき、俺はビックリした。
本当に誰も気づいてくれないのか!?
そ、それはさすがにひどいだろ!誰か気づいてくれ…
と、再び希望が湧きあがる。
「ね、今日、キドの誕生日だよね、」
カノから思いもよらない言葉が発せられた。
「な、おまえきづいてたのか?」
俺がそう聞くと自慢げに、
「うん!」
といった。
嬉しいと思ってしまった。
「キドの誕生日じゃん、忘れるわけないよ。」
カノはいつもの笑顔を見せる。
「ありがとう」
例を言うと、一瞬カノが固まり、ボッと顔が真っ赤になった。
「か、カノ?俺何かしたか?」
その時の俺は、幼い頃と同様の笑顔をしていたらしい。
「じゃ、改めて、誕生日おめでとう、キド。」
改められて言われると少し恥ずかしいが、とても嬉しい気持ちになった。
こんな誕生日ははじめてだった。