☆カゲプロ小説☆
□lierboy
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僕は汚い。
ひたすら汚い。
偽り、嘘を重ね、嘘で塗り固めた怪物だ。
こんな僕、呆れちゃうなぁ。
朝、いつも通り孤児院で僕は目を覚ました。
僕は親が居ないから、孤児としてある家に引き取られている。
他にも僕と同じ孤児が居る。
だからぼくと同じ気持ちをしていて、深い訳あり孤児だった。
みんな全然しゃべらないし、面白くない。
だから僕が話してあげるんだ。
とびっきりの嘘話を。
僕がこんなことがあった体で話をする。
つまらなそうな彼らもとても面白そうに、そして不気味そうに話を夢中で聞いている。
そんな彼らを見て気持ちが良かった。
嘘を信じちゃって、馬鹿だなぁ…
ホントにあるはずないのにね。
「こんなことがあったんだね!修哉君すごい!」
「でしょ?ほんとこのときはね──」
話が終わったところで、要点を抑えるように話をしていると、少女が疑問そうにこっちを見ていた。
「ど…どうしたの?」
僕は同様を隠し、笑顔で聞く。
「今の話じゃ、修哉君死んじゃってるよね?
う…少し言い過ぎたかな?
捏造にもほどがあり過ぎた。
「あ、その時は…お母さんが助けてくれたんだ!すごいでしょ?僕のお母さん!」
すぐさま失敗を訂正しようとすると、なんとなく口から出た母親の存在。
「あ…」
二人は声を揃えて申し訳なさそうな顔をする。
あのときの母親の言葉。あの時、何がおきていたか、鮮明に覚えている。
あの日は……
目からボロボロと涙が溢れでた。
「あ、あれっ…おかしいな…こんな筈じゃ…な、なんで僕泣いてるんだろ…ははっ…面白いなぁ…」
なんで泣いてるのか自分でもわからない。
なんで嘘を付いているのかもわからない。
なんで僕はかばってもらってまで生きてるのかも分からない。
こんな嘘つきなやつ、嫌われる。
「嘘つき」
少女がそう言い放った。
嘘つきなことには変わりない。だって嘘つきだもん。だから否定しなかった。
「悲しい時には悲しいとか、辛い時には辛いって言わないと、本心が分からないよ。」
辛い。僕は今とても辛い。
「僕…辛いよ。誰か助けて。こんな嘘つきな僕嫌だよ…」
このときやっと本心が言えたんだ。
「ほら、自分の言いたいことが言える。それってすごい嬉しいことだよ?だから嘘つきなんてやめよう。ね?」
「でも僕、すぐにはやめられないよ。」
僕は嘘をついて生きてきた。だから嘘は好きだし、そんなことできない。
そこは本当のことを言えなかった。
「それでもいいなら…僕と友達になってくれるかな?」
ニヤリと笑ってしまいそうな顔を隠し、笑顔で問う。
「うん!良いよ!」
そう言ってくれた。
僕は彼女と彼を信じることにした。
──やっぱり僕は嘘が好き。
今日も嘘つきな僕は、騙された皆を見て嘲笑うんだ。そして自分の汚さに飽きれ、溺れていく。
なんかもう無理です。おかしいです。
ごめんなさい。