悲しみの先にあるもの
□後悔
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俺はあの笑顔を思い出すたびいつも後悔する。
なぜあの時、ああしてやれなかったのか、
なぜあの時、俺の気持ちを伝えられなかったのか。
俺はあの日…何を伝えたかったのか。
その答えは今になってもわからない。
俺はまだ探し続けてる。
あの日の答えを。
俺は中高共天才と言われて、クラスではいつも浮いていた。
高校で友達を作ってみようかなと思ったが中学同然、話しかけようとすると、変なものでも見る目でこっちを見、去っていった。
まぁ、そうだよな。そうなってもおかしくないよな。俺は普通じゃないから。
ただ単に通常より出来栄えがいいだけで、こんな目を向けられる。
俺が何をしたんだろうか。
何も考えなくてもわかる。
そんな毎日がつまらなく、めまぐるしくもなく、過ぎてく。
この世界はなんて残酷なんだろう。
そんな高校生活がスタートした。中学の時と変わらず、つまらないんだろうなと考えてると、横から声が聞こえた。
「ねぇ、君って如月伸太郎君だよね」
クラスメイトに声をかけられた。
当然のことだから、そうだと言う。
こいつもどうせおかしなやつだなとおもっているだろう。
俺だってこいつのことを変なやつだと思っている。
俺に声をかける奴なんていなかったから。
「君すっごく頭いいんだよね。」
案の定この言葉だった。
ほら、やっぱりこいつもそうだったのか。なら、用はない。
俺にも少し希望があったと思ったが、自惚れるのは非常に良くない。そして面白みのない教科書をペラペラめくる。
「じゃあさ、少し話にのって欲しいんだ。いいかな?」
まだ話は終わってなかった。
少しだけなら話を聞いてやってもいいか、俺はそう思ってしまった。
──俺の後悔はここから始まっていた。