ときメモ短編

□gift
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―二月十四日、晴れ。
作ってしまった、贈り物。

「苗字さん。今日もお願い出来ますか?」
「はい、渡しておきますね。」
放課後、若王子先生から今日の分のプリントを受け取る。
学校を休んでいる彼への届け物だ。
学校を出てから彼―古森君の家へ向かう。
冷たい風が頬に当たって寒いことこの上ないけど、私がプリントを届けることで古森君が学校にちょっと興味を持ってくれれば、嬉しい。
クラスメイトがいつも一人いないってのは、随分悲しいし。
それに、今日は特別。
バッグに入ってる、淡い水色の包み。
中身はチョコレートで、この前お店で見つけたイルカの小さな砂糖菓子を乗っけた手作りだ。
あのイルカを見た瞬間に古森君の事思い出して、頑張って作ったんだ。

古森君、受け取ってくれるといいな。
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