ときメモ短編

□林檎
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『林檎?』
夜、彼氏の古森君と電話で話してるときのことだ。
古森君のお婆ちゃんから届いた林檎の話になった。
どうやらずいぶんと沢山届いたらしくて、お父さんと二人じゃ食べきれないらしい。
『凄く美味しいけど、量さ、多くて。』
『本当に園に貰っちゃっていいの?』
『食べてくれれば、林檎も喜ぶ。』
なんとなく、電話の先にはにかんだ彼の笑顔が見えた気がした。
『じゃあ、明日持っていく。』
『うん、ありがとう。』
『…おやすみ、名前さん』
『おやすみ、古森君。』
私が保育士として働いている幼稚園ではおやつの時間に手作りのお菓子を出す。
その時にパイとして出せるように、古森君が昼持ってきてくれることになった。
彼に会える、明日が楽しみ。
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