ローナミ置き場

□猫にしつけ
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1週間後ー



「あ、あれナミじゃないですか?」


ハート海賊団クルーの一人、シャチが

指をさした先を見ると、オレンジ色の

長い髪、身体の曲線が女らしく美しい、

誰よりも華やかな雰囲気の女。


「珍し〜!Tシャツにジーパン履いてるよ。」


これもクルーの1人、ペンギンが少し残念

そうに言う。


…それはそうだろう。先週、しつけたときに

露出の多い服を着れないように、痕を沢山

残してやった。


しかし、それでも言いつけを守っている

ようだ。


思わず、ニヤリと口角が上がる。



「あ、隣にいるのはニコ・ロビン!」


「いいなぁ〜、麦わらの船の女は可愛くて。」


「あ、ナミ服見てるよ。買うのかな?」


ハート海賊団の航海士、白熊が話の中に

入って来た。


「お〜!

ナミが持っている服、セクシーだなぁ!

似合いそう!」


「!!」

ピクリと眉毛が上がる。


…先週、あれだけしつけてやったんだ。


まさか、あの服を買うことはないだろう。


そう思いながらも、ナミから目が離せなく

なっていた。



「服を持って、店に入った。」


「!」


「買ったみたいだぞ。袋持ってる。」


「!!」


「…どうしたんです?船長…

顔が怖いですよ?」


「うるせー!!」


ビクリとクルーたちが縮こまる。



どういうつもりだ?!ナミの奴!

あれだけ、露出の多い服は着るなと

言ったのに。



「あ、男に声をかけられてる。」


「!!!!」


「ナンパだ、ナンパ!

2人とも可愛いもんなぁ〜!」


「うわっ!あの男、ナミの肩を抱いた!」


「!!!!!!!」


「キャ、キャプテン、落ち着いて!!」


隣で慌てて、宥めようと必死になる白熊。


「あ!財布、スった!」


「スったな…。すげ早業。」


感心しながら、実況中継を続ける

シャチとペンギン。



「おめぇら、ここで待ってろ。」

ワイワイと賑やかなクルーたちに声をかけて、

スタスタとナンパをされている女の元へ。



「よぉ。」


「!!

ろ、ロー?!」


「なんだよ、てめぇ…ぇっ!」


おれはナミの肩にかかっている男の腕を掴み、

外側に捻る。

バキバキと骨が砕ける音がする。


「ぐはっ!!!ああああ!!!」


「てめぇ、誰の女に触れてんだ。バラすぞ。」


一睨みすると、「ひぃ」と悲鳴を上げて、

折れた腕を抱えて男は地を這うように

逃げて行った。


「そ、そこまでしなくても…!

ほら、ちゃんと財布スったから大丈夫よ!」


明らかにあわあわと慌てている様子の

おれの女。

それはそうだろう、今まさに現行犯で

2つほど、罪を犯した。


「何が大丈夫なんだよ。

そういう問題じゃねぇんだよ。」


おれはナミの持っていた紙袋を取り上げると、

バリバリと袋を破き、中の服を広げた。


胸元にレースをあしらったビキニ風の

トップス。


「そ、それ、見せブラでちゃんと上に

服を着るの!」


「…上に着る服買ってねぇじゃねぇか。」


「…ローと2人でいる時に着ようと思って。」


「さっきと言ってること違うぞ?」


「…」


「どうやら、しつけが足りねぇみたいだな。」


「!!!!」







「あ、船長、ナミを担いだ!」


「ニコ・ロビンに何か言ってる。」


「ニコ・ロビンは笑顔で手をひらひら

振ってる。」


「よかったね、キャプテン。お持ち帰り

許してもらって。」


「そのまま、どこかへ行くぞ!」


「えっ?!!俺たちは?!!」


「…」


「ここで待ってろ…って。」


「…いつまで?」


「…朝まで…?」


「…」


「…」


「…暇だな。ナンパでもするか?」


「例え、引っかかってもここで待ってないと

いけないんだったら、お姉ちゃんといい所

行けないだろ。」


「じゃ、一人犠牲になってここで待機

するか。」


「いいな、勝負だ、ペンギン!」


「メスの白熊歩いてないかな?」


『いるわけないだろ!!』


「すみません。」


『打たれ弱っ!!』





Fin
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