ローナミ置き場

□依存的な彼氏
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ベッドから起き上がり、水でも

飲もうと立ち上がる。




ピリッと感じる視線




ハッとして部屋を見回すけれど、誰も

いるはずもなく…


ぞぞぞっと背筋が凍る。





気のせいよね…?




ロビンは今花の手入れをしている

はずだし、扉が開いた形跡もない。


しーんとした部屋にさっき一瞬感じた

気配も視線もない。









「見られてる」と思うと意識が敏感に

なりすぎてしまったんだわ!!

きっとそうだわ!



自分にそう言い聞かせる。


だって、怖いもん。



とにかく1人になりたくなくて、

昼の仕込みをしているだろう

サンジくんに相手をして貰おうと、

ダイニングに足を運んだ。



その間も


やっぱり感じる…




視線…




今まで注意した事なかったけど、

こうやって感覚を研ぎ澄ませて

いると、「見られてる」感じがする。



…気のせい…



だと思いたい。



だって、姿が見えない視線って

怖すぎ…




ダイニングに行くと昼食の材料を

見事な手さばきで切っている

サンジくん。


「どうしたんです?ナミさん、

眠れなかったんですか?」


「…そうなのよ。ちょっとね。」



サンジくんは手早くロイヤル

ミルクティーを入れてくれて、

カウンターに座った私の前に

そっと置いた。


「どうぞ、プリンセス。

おれで良ければお話を伺いま

しょうか?」


ニコリと微笑む。


こういう時は安心するわ。

サンジくん。



「あのね…」





サンジくんに昨日の夜、ゾロが

言っていた事と朝のダイニングの事、

さっきから見られてる気がする事を

話した。



サンジ君のぐるぐる眉が険しく

なった。



「…ナミさん、

それはおれも感じてましたよ?」


「!!」


「ヤツがこの船に乗ってきてから

ずっとそうです。


今までは遠くから他人から分からない

ようにナミさんを見てるだけで、

特に何もしないから害はない

だろうと、おれもマリモも黙って

ましたが…




ついにナミさんの魅力に我慢できなく

なったのか!!鬼畜め!!

くそ隈トラ男!!!



ナミさんはおれが守るから

安心してね〜!」



サンジくんが目をハートにさせて

すり寄って来る。


「お願いね、サンジくん。」



と言ったものの。


何の証拠もなく、

見られてるだけだし…


どうしたものか…




ひとしきりサンジくんと話をして、

進路を確認するために甲板に出た。


進路は順調。



船の端の方でルフィとウソップ・

チョッパーが楽しそうに釣りを

している。


見上げればどこまでも青く、

果てしなく広がる空と海。



…やっぱり女部屋と廊下の視線は

自意識過剰だったのかしら?



気分転換にみかんの様子でも

見に行こう。




大きく実ったみかんを1つ収穫し、

甘い瑞々しいみかんを1ふさ口に

入れた。


少し気持ちが安らぐ。

みかんは落ち着くわ。


ベルメールさんの匂いだもの。




みかんを食べらがら木の下に座り、

をゆらゆらと風に揺れるみかんの

木を眺めていると…






また視線…!


振り返ると、



「うわっ!!!!!!

今度は


いたっ!!!」



長い刀を肩にかけ、フカフカの

帽子を目深にかぶり、無表情に私を

見つめる。



「…何だよ。そんなに驚いて。

いちゃ悪いか。」


「あんたねぇ!!

気持ち悪いのよ!!」


「何がだよ?!」

トラ男くんの眉間のしわがさらに

濃くなる。


「ずっと、私を見てたでしょ?!

姿も見せずに!!」


「…自意識過剰。

おれがお前を見たって証拠が

あるのか?」


私をばかにしたようにニヤリと笑い、

ドカリと私の横に座ると、

ぐっと顔を近づけてくる。


詰め寄られて思わず、仰け反る。


「…そ、それは…

ない、けどっ。



けど、朝のあんたの言葉とあんたが

私を見てたってサンジくんから

聞いたわ!


さっきから変な視線を感じるし…!」


「…感じたのか?」


「そうよ!感じたの!」


「…変態。」


「はぁっ?!!」


「おれに見られて感じたんだろ?」


トラ男くんはくくくと笑いニヤリと

口角を上げた。



カッと顔が熱くなる。

変態はどっちよ?!!



「“視線を感じた”って言ったの!

ばっかじゃないの?!!」



トラ男くんはさらに顔を近づけて、

私の耳元で囁いた。


「…おれにみられてぞくぞくしてた

癖に。」


トラ男くんの吐く息が耳にかかり、

背筋がゾッとする。


「ゾッとしたの!

やっぱり見てたんじゃないの!!

もぅ、止めてよ!!

怖いから!

今も離れなさい!

気持ち悪いから!」



「嫌だね。」


トラ男くんは私の肩をぐっと抱き

寄せ、



「お前の、嫌がる顔…



…最高。」


悪魔のように微笑んだ。



「なっ…!」


何なの?!!

何なの?!!


何て男なの?!!

やっぱり、こいつはデンジャラス

なヤツだわ!!



「こっちは最低なんだから!!

私、怖いの嫌いなんだからね!


そんなに、人を怖がらせたかったら、

スリラーパークに履歴書でも

送れば?!

その隈のお陰で即採用よ!!!」


「何、言ってんだ?

ばかか。」


「そこだけ、冷静に答えないでよ!!」




もう、嫌だわ。

私の肩に置かれた腕を取り払い、

スックと立ち上がる。


「とにかく、次にこういう事

やったらルフィに言って同盟解消

して貰うわ!!」


逃げる様に立ち去ろうとする

私に悪魔は宣告する。



「お前はおれの女になる。


もう、逃げられねぇ。」




!!!!

まずい事になった…!!

やばい男に目を付けられたわ!!


身の危険を感じながらとにかく、

トラ男くんから離れようと足を

速めた。
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