ローナミ置き場

□依存的な彼氏
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「…あのねぇ。」



「何だ。」



「たった今よ?!


たった今、あんたから立ち去ったのに、

何でまた目の前にまた現われるの!!」



「お前が姿が見えない視線は怖い怖い

言うから、姿を見せてお前を見てる

だけだ。」


ニヤリと笑う。


「…」


ストーカーもここまで堂々とすれば、

何か爽やかに感じてくるわ。


「…何がしたいのよ?

確かに私は可愛いわよ?!

私を好きになるのは仕方ないけど、

迷惑なのよ!」



「…うぬぼれるな。」


帽子の下の目がギラリと光り、

ぐっ腕を掴まれ引き寄せられる。

掴まれた腕の痛みに思わず顔をしかめる。



「…っつ…!」


「良い顔だ。

好きとか嫌いとかの問題じゃねぇ。


ただおれは、お前のその苦痛に歪む

顔が可愛くて仕方ねぇだけだ。」



「!!!!!


あんたっ!!

おかしいんじゃないの?!

私はそんな趣味ないの!!」


今まで散々男にには言い寄られてきたけど、

こんな言い寄られ方したことないわ!




男って、


私に従順で私にひれ伏して

私の言う事を何でも聞いてくれる

生き物じゃないの?????


何でも買ってくれて、時にはお金もくれて…

少々の事だったら、ウインクやニコリと

微笑めば許してくれる…そういう生き物じゃ

なかったの????



「じゃぁ、どんな趣味だ?」


「どんなって…」



言葉に詰まる。


そう言われれば、私って…

どんな…趣味???



今まで散々男は利用はしてきた。



だって、この海で生き残る為にはそうする

しかなかったもの…。


自分の恋愛感情なんて考えた事なんで

なかった。



私を見つめるトラ男くんの瞳に映るのは

私に対する愛情…?それとも狂気…?

それすら分からない。


恋愛って…何…?




困惑する私に、恐怖よりも私を支配する

言葉をトラ男くんは掛ける。



「自分の事も分からねぇのか。


じゃあ、教えてやろうか…?


本当のお前を…」



ゆっくりと近づいてくるトラ男くんの顔。



本当の私…?


湧いてきたのは好奇心。



知りたい…本当の私…



それは恐怖より勝る危険な好奇心











「海軍だーーーーー!!!!」



チョッパーの甲高い声が船中に響き渡った。

周りを見渡せば海軍の船に囲まれていた。


トラ男くんと私の動きがピタリと止まる。




何隻あるのだろう。

おびただしい数の海軍の船。

周りは水平線が見えないほどの船で覆われて

いた。




懸賞金合計 約8億ベリー

現在

プラス元懸賞金4億4千万…



それを考えるとこの量の海軍は当然だろう。



皆がいる甲板に走り、即座に戦闘態勢に

入る。

一斉に砲撃された大砲に、身構える一同。



「ROOM」


一瞬にしてトラ男くんの空間に包まれた

サニー号。



砲弾は一瞬にして消えた。



かと思うと海軍の船に降り注ぐ砲弾。



…凄い…!!




今までのうちの戦い方と全く違った能力に

圧倒される。




「…ナミ屋。

ここはおれがお前ら助けてやる。


おれの女になれ。」



助けてくれなくても、私たちは自分の身

くらいは守れる!



…と思いながら私の口からでた言葉は



「…



いいわよ…」




だって興味が出てしまったんだもの。


怖いもの見たさ


危ないと分かっていながら

知りたくなる


その先にあるものを。



「二言はないな。」


トラ男くんはニヤリと笑い、

私はトラ男くんの能力の恐ろしさを

思い知る。





一気に海軍の船を沈めたのだ。






恐怖に勝ってしまった好奇心。



私はこの男の女になった。
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