ルナミ置き場

□望むもの
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大抵の男は私の思い通り。



ちょっと上目遣いで微笑んで

「お願い」と、そっと体に触れれば

どんな男も大喜びで言う事を

聞いてくれる。



そうやって生きてきた。


"彼"に逢うまでは…








「ナミ!

次はこの指針の島に行ってくれ!」


「きやっ!?」


ログポーズを覗いていると、

後ろから突然ルフィが顔を出す。


私の肩に顎を乗せ、不自然にぶれて

いる指針を指さし、

「冒険の匂いがぷんぷんする!!」

瞳をキラキラと輝かせる。


「するでしょうけれど、この不安定な

針の揺れは気になるわ!

この島は止めた方がいいわよ。」


「イヤだっ!

おれは次の島はこれに決めた!!」


「えぇ一一っ!」



航海士の助言は無視。

危険はお手のもの。



我船の船長は、唯一私の思い通り

にならない男…


「もぉ、仕方ないわね。」


でも、

私が従順なのもこの男だけ。







だって…








“ルフィ…助けて…”





“当たり前だ!!!!”










この男は私の本当に望むものを

くれるから。




「おぉ一!

島が見えたぞ一!」


嬉しそうな船長に、


「うわっ!

見るからに危なそう!」


怯える私。


「ナミっ!行くぞ!」


逃げ腰の私の身体に腕を巻きつけ、

有無を言わさず、いざ、冒険へ!!


「えぇ一!

いーやーぁぁ!」






「ふふふ、

ナミ、今日も楽しそうね。」



Fin

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