ルナミ置き場

□征服者
1ページ/1ページ


おれは男だ!

征服したい!



この海を征服するのもおれ。

好きな女を征服するのもおれ。



それなのに、女に関してはどうすれば

いいか分からねぇ。




なんせ、ナミは不思議だ…。



全てがおれとは全く違う…



それなのに、自分と同じくらいに

ナミを感じるんだ。


ナミが嬉しそうだとおれも嬉しい

ナミが笑えばおれも笑う

ナミが怒ればおれも何だか腹が立つ

ナミが泣いているとおれも悲しい…


そう言えば、


ナミが辛い時、おれ達に助けを求めない

事があった。


ナミの辛さはおれの辛さなのに…



おれ達を排除しようとするナミに

イライラしておれはふて寝したり

した。







「ルフィ…助けて…」



その言葉がおれを救う。




「当たり前だ!!!」



ナミの辛さはおれの辛さ。

ナミの涙はおれの涙。




お前は


おれ。



ナミは不思議だ…


そこまで考えたけれど、どうすれば

征服できるのか、さっぱり糸口さえ

見つからねぇ。


考えても仕方ねぇな。

おれ、考えるの苦手だ…


疑問を本人にぶつけてみる事にした。





「なぁ、ナミ」


「何?」


「お前、一体何なんだ?」


「はぁっ?!今更何言ってるのよ?

航海士でしょ!」


「…そうだ。

そうだけど、違う。」


「??はぁっ??

何が言いたいの?」


「…おれにも分からねぇ。

何か…お前、変だ。」


「変なのはあんたでしょ?!」


「だって、


おれの頭の中…お前で一杯だ。


だけど、どうすればいいか分からねぇ。」



「…







あんた、それ、告白してるの…?

ルフィのくせに…。」



「告白??」



「…“告白って何?”って顔してるわね。

まぁ、告白なんてあんたのガラじゃない

わね!」


あははとナミは笑う。

少しばかにされた気分になり思わず

ムキになった。


おれは征服するんだ!

負けねぇ!




「こ、告白ぐらい知ってるぞ!

ばかにするな!!」


「じゃぁ、してみなさいよ。」


ナミはふふんとあからさまにおれを

ばかにした顔。



ばかにするな!

おれだって告白ぐらいできる!


エースに習ったんだ!



おれはナミの正面に立ち、

深くお辞儀をした。





「おれと





いますぐヤッて下さい!!」







「!!!!」




沈黙…



後に言葉より早くナミの鉄拳が飛んできた。



「痛てぇ!!

何だよ!ちゃんと告白しただろ?!」


「違うわよ!告白ってのはね、

こうやんの!」


ナミはおれの両手を自分の両手で包み、

目を真っ直ぐに見つめた。



…どうしたんだ、おれの心臓…



それだけで、喉の辺りまで心臓に

なったみたいに、ドクドクと鼓動が

響く。


ナミは少し恥ずかしそうに微笑み、

頬を染めるとおれの心臓を突き破る

言葉を発した。






「ルフィ、好きよ。」






!!!!!!!






心臓が…止まった。






「ルフィ?!」


微動だにしないおれに驚いた様子で

ナミが呼びかける。


「どうしちゃったのよ?!!」




ナミの告白は…


一撃必殺…




おれを一網打尽にする。



おれの負けだ…。














「はい。

じゃぁ、レッスン料10万ベリー。」



「レッスン?!!」



「当たり前じゃない!

女に告白させないでよ!





…ちゃんと、あんたが言えたら…



チャラにしてあげるわ。」




ナミは小悪魔の様に笑った。



そうやってまた、お前はおれの心を

一杯にし支配する。





征服されたのは



おれだ…






fin

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ