超・裏置き場

□捕獲
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初めて出逢ったのは、

シャボンディ諸島の

ヒューマンオークション。


その胸くそ悪ぃ会場で

一際目立つその存在…


オレンジの髪は艶やかに

輝き、柔らかな曲線は

男の目を奪う。




「ハチ!!!」


天竜人にやられた魚人を

心配し、大きな瞳に涙を

溜める慈悲に溢れるその姿は

海賊とは思えない…


…何なんだ…

この女は?




その女の船長もいかれて

やがって、魚人を撃った

天竜人をぶっ飛ばす始末。



海軍の本部が駐屯している

にも関わらずだ。


何ものにも恐れず

屈せず、己の信念で突き進む。



面白ぇもん見せて貰った。




目が離せなくなった

麦わら屋一味。




目が離せなくなったおれの

視線に女は気付いたのか、

おれの方に視線をよこした。



目が合う。



はじめ、女は少し怪訝そうに

目を細める。

だが、視線をそらすことは無く

少し見つめ合う。



おれは視線で女に訴えた。




“おれの女になれ”




女は一瞬大きく目を見開き、

少女のあどけなさを残しな

がらも大人の女の笑みを

こぼした。


YESともNOとも受け取れる

微笑み。


いい女だ。



おれはどうしても女が欲しく

なった。





麦わら屋が天竜人をぶっ飛

ばしたせいで、海軍大将が

動くと情報が入った。


ここで大将と出くわす事は

勘弁だ。


会場から脱出すべく、会場を

取り囲んでいた海兵達を

蹴散らした。


すぐに混乱状態となった会場。




その中で女とすれ違った。



すれ違いざまに女の口から

発せられた言葉…



「私を捕まえれるものなら


捕まえてみなさい…」




おれだけに聞こえる様に囁き、

魔女の様にほほ笑んだ女は

するりと猫の様に逃げて行った。



背筋がゾクリとした。



まだ少女のあどけなさが残る

女に完全に魅了されてしまった。







その後、突如消息を断った

麦わら一味。




2年間…自分の目的の傍ら

探し続けた女。






捕まえてやるさ。



おれを挑発し、魅了する女。




泥棒猫、ナミ…
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