もしもの話をしようか。
ある晴れた春の日に、君と僕はピクニックへ行くんだ。
勿論、チャーリーも、メルも一緒に。
え、二人を知らない?
この前、ちゃんと教えただろ?
チャーリーは茶色帽子を被った男の子で、メルは黄色い羽根飾りが可愛い女の子。
2人ともとっても明るくて、人見知りしないから、すぐに君と仲良くなれるよ。
みんなで野原を駆け巡って、疲れたら木陰でひと休みしよう。
それから小川で水浴びをして・・そうか、君は水が苦手だったね。
お腹が空いたら木の実を取ってきてあげる。
僕はこう見えても木の実を取るのが得意なんだ。
だから安心していいよ。
君が食いしん坊なのは知っているから。
僕は君と一緒にいれるだけで、とても幸せなんだ。
でも、皆は止めとけって言う。
無理はないよね。
だって、君と僕はあまりにも違い過ぎるんだもの。
僕には君のようなガラス玉みたいな青い瞳も無ければ、ふかふかの美しい体毛も無い。
愛らしいヒゲも、ぷにぷにの肉球も、敵を引き裂く爪も持たない。
君と同じモノは何一つない。
滑稽 だよね?
分かっているよ。
それでも、君を思う気持ちに嘘偽りは無いんだ。
僕がいつも窓辺で歌うのは、君のための愛の歌。
君に届いているのかな?
あぁ、でもやっぱり君は美しいけど狡猾な捕食者で、僕はただ愛を歌うだけの囀り鳥。
上手くなんていかないのかな?
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