なんか違う

□03.王道転校生と副会長
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「今なら、今ならこの門を飛び越えられる気がする…」



隣にいるオタルックは何かブツブツ呟いている。
ハッキリ言って、不審者にしか見えない。怖いからな、ホントに。


「…よしっ飛び越えるか!!」


更には、オレ今なら行けるっ!などと叫び始めた。なるほど、これが巷で噂のヤバ人というやつか....!?いや、ムリ。普通に無理だ。何メートルあるかわかってるの....?


いやしかし、母さんに持たされたBL本(と言う名の台本)には、王道転校生は門を飛び越える習性がある、とか書いてあったような……


「止めておけ。出来る気がするだけだ」



しかし王道転校生といえど俺と同じ人間だ。
絶対に無理だから。
目の前でグロいものを見たく無い一心で俺が声をかけると、彼はやっとこちらに気づいたみたいだ。俺ずっと隣いたのに!


「うわあっ び、びっくりしただろ!いきなり驚かすなよな!!」


俺からすると、お前の格好のほうが驚きだけどな。そして、何故忠告しただけなのに俺が悪い感じになってるんだ....?むしろ感謝をしろ、感謝を!
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