☆魔界王子☆BL小説
□記念日−繋がりあった思い−
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「ウイリアム好きなんだ!!」
―愛しているんだ―
そう奴が言った時、俺の目から何かが零れ落ちた。
これは一体なんだ?...
―1日前
「ウイリアム」
「...なんだシトリー」
奴の名はシトリー。
悪魔だとかなんだとか言っているが俺はそんなん正直どうでもいい。
今は、3日後に控えている試験の事で頭がいっぱいだ。
「何をしているんだ?」
「...見て分からないのか?勉強をしているんだ。勉強を。」
あー、もういちいち言わせるな。
こっちは、寝る間も惜しんで勉強してるっていうのに...。
「ふーん。お前頭いいんじゃなかったのか?」
「ふん。当たり前だろ。俺ほどの頭脳を持った人間はいない。まさしくエリート中のエリートだ!」
まぁ、金が無くなるまではな...
「じゃあ、何故勉強なんかしている?」
「そんなの、決まっているだろう。すこしでも点数を稼ぐためだ。日々の勉強を疎かにしてはいけないと親に教わらなかったのか?」
「私の親はとうの昔に死んでいる。」
はぁ、俺を何を言っているんだか。
今は、こいつと呑気に話している場合ではないだろ。
俺の輝かしい未来のために今は少しでも勉強を...。
「あっ、ウイリアムここにいたんだぁ!」
この、いかにも馬鹿そうな奴はアイザック。
まぁ、俺の友人だ。
「どうした?そんなに慌てて。」
「ウイリアムぅ、お願い!助けてぇ!」
またか...。どうせまた勉強を教えろとでも言うのだろう?
「悪いが、今は自分の事で精一杯だ。」
「そんな事言わないで教えてよー!!ウイリアムしか頼れる人いないんだよぉ...」
「スワローに教わればいいだろう?」
「用事があるから無理だって言われたんだよぉ…」
本当に救いようのないやつだな...。
はぁ、そんな今にも泣きそうな顔で見られたら断れなくなるだろう...。
「仕方ないな…。今日だけ特別に教えてやる。」
「ありがとうぅー!ウイリアムぅ…」
「泣くな!!...そのかわり、この俺が教えてやるんだ全部満点じゃなきゃ許さないからな!」
「えっ;」
「えっ;じゃない!ほら、さっさと分からない問題を見せろ!俺がみっちり厳しく、お前の頭でも分かるように説明してやる!光栄に思えよ!」
「うぅ…ウイリアムのスパルタぁぁ!」
「...さすが、ウイリアムだな...。凄まじい。」
あれから、俺とアイザックとシトリー(寝ている)は一夜漬けで勉強をした。
アイザックは何度も弱音を吐いたが、なんとか全ての問題を終えることが出来た。
(さすがの俺も疲れたな...)
アイザックは自室へ戻り倒れ込むように寝た。
シトリーはというと、俺のベットで爆睡していたからわざわざ俺が部屋まで運んでやったのだった。
はぁ、疲れた。
俺も少し寝るとするか。
試験まで後2日か...。
まぁ、俺の頭脳なら問題ないな。
...あぁ駄目だ。一気に眠気が...。
「・・リ・ム」
「ウ・リアム…」
ん?...
「ウイリアム!」
「?!」
目を見開くとそこには...
「ウイリアム!ようやく起きたか...。もうすぐで授業が始まるぞ。」
「ダンタリオン!」
「ふっお前が寝坊なんて珍しいな」
「なっ!煩い!お前には関係ないだろ!」
鼻で笑いやがって...。
別にしたくてした訳ではない!
元はと言えば、アイザックの勉強に付き合ったからこんな目に...!
「おい、ウイリアム」
「...なんだ」
「...」
は?何で黙っているんだ?
「おい、何か言いたいことがあるなら言え!」
「...やって....た..ん..だ」
「は?」
「だから、シトリーとアイザックと何をやっていたんだ!」
「何って...」
こいつ一体何を聞いてくるのかと思いきやこんな事か...。
「...俺がいない所であいつらと何をやっていたんだって聞いているんだ!」
「...別にお前には関係ないだろ。」
いちいちお前に教えなければならない義務でもあるっていうのか?
馬鹿馬鹿しい...。
「関係あるに決まっているだろう!!!いいかウイリアムよく聞け。お前は俺のものだ。」
「なっ!」
人をもの呼ばわりするな!ってそれよりも、俺はお前のものではない!
「お前は、俺だけのものだ。誰にも渡さない。」
「何言っているんだ!俺は誰のものでもない!誰のものになる気もない!」
「...何故分からない...!」
?!
なっ!、何故抱きしめられているんだっ?!
「は、離せ!!」
「離さない。もう絶対にお前を離さない。」
っ...!
「やめろ!」
「俺を見ろ、ウイリアム!」
「...。」
「頼む...。俺を見てくれ。俺という存在を信じなくていい、受け入れなくてもいい。でも、頼む。
俺の事を、その目でしっかり見てくれ。」
信じなくていい?受け入れなくていい?それなのにこいつは俺を見ろと...?
「なんでお前は...そんなに俺に執着するんだ…」
何を言ってるんだ俺は...。
「俺は執着しているつもりはない。」
「なら、何故そんなに執拗につきまとうんだ!」
俺は必死にダンタリオンの腕から逃れようとした。
だが、ダンタリオンは離すどころか余計に強く俺を抱きしめた。
自分の非力さに苛つく。
同じ男だというのに力はダンタリオンの方が遥かに上だ。
押しても、叩いても、どんなに突き放そうとしてもダンタリオンはビクともしない。
ただ、俺を強く抱きしめていた。
「まだ分からないのか?!」
「…分かるかっ!」
分かる訳ない。分かりたくも...ない…。
「ウイリアム...俺を見ろ。」
「...っ!」
「頼む...。一度でいい。俺を見てくれ...。」
なんでお前がそんな悲しそうな顔をしているんだ...。
どうせお前は...。
「…さい...。煩い煩い煩いっ!!!」
どうせお前は...!!
「…っ!ウイリアム!」
「離せ!どうせお前は俺に見て欲しいわけじゃないんだろ!!」
なんだこの気持ち...!
胸が凄く痛い。
心の奥から何かが湧き上がってくる。
苦しい...。
これはなんだ...?
怒りか?憎しみか?それとも...
「お前は...!お前は...!…俺に見てほしいんじゃない!!!!!」
「ウイリアム?!何を言って...」
「お前はっ!俺じゃなく...俺の中にいるソロモンに見てほしいんだろうっ!!」
なんでだ?!
なんでこんなに...胸が痛いんだよ!!!
なんでこんな...。
感情が込み上げてくるんだ…!
…っ止まらない!!
「お前は…。俺を見ていない...。それなのにお前は、俺を見ろと言うのかっ…!!」
なんでこんな...っ!
俺はこんなこと思って...っ!
「…う…っ!」
え…?
「違う!!!!!!!!!!」
「ダンタリ…」
「俺はっ!!!ソロモンを見ているんじゃない!!」
...っ!
「...確かにソロモンは大事な存在だ...っ!」
「昔だって...今だって...」
「なら...っ!やっぱりお前は!!」
「だから違うと言っているだろう!!!!」
ダンタリオンは俺を離すまいと腕に力をいれる。
「…っ!止めろ...!く、苦しいっ!!」
「ウイリアム好きなんだ!!」
…え?
今なんて...。
「俺は、お前が好きだ。ソロモンでも誰でもない。
ウイリアム...お前だけが…!」
これは...夢だろうか?
俺は、夢を見ているのだろうか...。
ダンタリオンが俺を...?
そんなわけない。
ダンタリオンはソロモンだけを思い続けて来たんだ。
俺の事なんか...好きな筈ない。
俺なんか...。
俺の事なんか...。
「ウイリアムっ!!俺の存在は信じなくてもいい!だが、この言葉だけは信じろ!!俺は本当にお前の事が...!」
「...そんなわけない...。お前が俺の事なんか!!
お前は俺の中のソロモンが恋しいだけだ!!俺の事なんかどうでもいいに決まってる…!」
それに、何が信じろだ!
...お前が信じなくていいと言ったんだろう...。
「...どうすれば俺の思いはお前に届く...?」
「…っ?!」
ダンタリオンはそう言うと俺に顔を近づけ、口付けをした。
「や、やめっ!!...んっ!!」
ダンタリオンは俺の腕と頭をしっかり掴み離させようとしない。
俺がどんなに抵抗しようと無駄だった。
「ウイリアム好きだ。」
「愛している」
俺を愛して...?
そんなわけ...。
っ…!?
なんで...!
涙が......。
「ウイリアム?!」
ダンタリオンは俺の目から零れ落ちる涙を見て、ずっと掴んでいた腕を離した。
「ウイリアムどうした??!腕かっ!?腕が痛かったのか?!
っ...!。腕に痕が出来ているな...。すまなかった…。こんなに強く掴んでいたとは...。」
ダンタリオンはそう言うと洗面所に向かい、タオルを濡らし俺の腕を冷やした。
「まだ痛いか?本当に悪かった...」
「...とに...俺を...して...のか...。」
「ん?」
「本当に...俺を...愛しているのか...」
ソロモンでも誰でもなくこの俺を...。
「ああ。ウイリアム愛してる。」
「っ...!」
なんだこれ...。
さっきまで、あんなに痛くて苦しかったのが嘘みたいになくなっている。
むしろ、胸の辺りがぽかぽかして暖かい。
空っぽだった心が満たされるような...。
ずっと、心の奥で...溜め込み続けてきた思いがやっと伝わって...。
「…いいのかよ。こんな俺でいいのかよ...。ソロモンでもない、ソロモンに成りきれない...そんな俺でいいのかよ...」
「俺はソロモンが欲しいんじゃない。ウイリアム、お前がいいんだ。」
あぁ、そうか。
俺はずっとこの言葉を聞きたかったのか。
俺はずっとこの日が来るのを待っていたのか...。
「っ...ふんっ!そこまで言うなら...少しはお前の事を見てやってもいい…っ!」
「...っ!ウイリアム…!」
何やっているんだか。
自分でもよく分からない。
気がついたらダンタリオンに抱きついていた。
気がついたらダンタリオンの事が愛しくなっていた。
はあ、俺もとんだ馬鹿だな…。
こんな奴に惚れるなんて。
「ダンタリオン...。もう一回...愛してるって言ってくれないか…」
「ああ、何度でも言ってやる。愛してる。俺はウイリアムお前だけを一生愛し続ける。」
俺の名を呼ぶ声。
「愛してる」と言う言葉。
俺に向けらる笑顔。
俺の手を握る手。
俺を抱きしめる大きい体。
俺を包み込む腕。
俺の目を見つめる優しい瞳。
何度も口付ける唇。
その全てが...俺を満たしてくれる。
ほかに何も要らないって思えるくらい幸せになる。
「ウイリアム愛してる。」
「...俺もだ。ダンタリオン...。」
やっと繋がった思い。
もう絶対に離さない。
俺もお前を愛している。
……ん?
何か大事な事を忘れているような……あっ!!!!!
「おいっ!!こんな事してる暇は無い!授業がっ!!!」
クソっ!!俺とした事が学校をすっかり忘れてしまっていたとは…!
「いいだろう...。今日くらい。」
「よくないっ!!」
俺の輝かしい未来のために必要な...!
「悪いが...。今日はもう何処にも行かせてやれん...」
ダンタリオンは、それだけ言うと俺をベッドへ押し倒した。
「おい。一体何をするつもりだっ?」
「何って...。ベッドでする事は一つしかないだろう?」
「…寝るのか?」
「はあ、お前は鈍感だな...。まあ同じような事だ。」
同じような事?
こいつ一体何をするつもりなんだ?
寝ること意外にベッドでする事??
「おい。ハッキリ言え!...気になるだろ...」
「ふっ気持ちいいことだ」
「...っ!?」
さすがの俺もこの一言で気がついた。
こいつ...っ!!
「俺とお前が交尾したところでなんの意味もないぞっ!!」
「意味はあるだろう。体を重ねるのも愛情表現だ」
「何が愛情表現だ!!ふざけるな!!」
「ふっ、怖がるな。優しくする」
なっ!!
誰がいつ怖いなんて言ったんだ!!
「って...おいっ!!!!誰が服を脱がしていいと言った!!」
...っ!
シャツのボタンを外すなぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
あー!!恥ずかしい...っ!
「服を着たままじゃ出来ないだろう?」
「俺はやるなんて言ってないぞ!」
なんでこいつはこうなんだ...!
今日は、思いが通じ合った記念すべき日だというのに...
「今日は俺とお前の記念日?とやらなんだろう?だったら、初体験の記念日にもした方が思い出に残るじゃないか」
「何が初体験の記念日だ!!!そんなこっ恥ずかしい思い出を作るな!!そして考えるな!!」
「悪いが、その命令は聞けないな」
っな!、なんで近寄って来るんだっ?!
「好きな奴とヤりたいのは当たり前だろう?」
なっ?!!!
「ふっ、顔が真っ赤だぞウイリアム」
「...っ!!うっ、煩いっ煩いっ!!」
「素直になれ。お前も俺とヤりたいんだろう?」
「...っ!誰がお前なんかとっ!!」
「愛してると言ってたではないか」
うっ!!
「嘘だったのか...?」
「うぅ...!!」
こいつ俺を試してやがるな...!
「あ..てる」
「なんだ?聞こえなかったぞ」
...っ!
「だからっ!!!...愛してる...っ」
「俺もだ。ウイリアム」
くそぅ...!!
なんでこんな恥ずかしいめに...。
穴があったら入りたい...っ!
「よし、覚悟はいいな?ウイリアム」
「...っ!!おい!待て!!」
「なんだ?今更止めてやれないぞ」
「…………優しくしろよな」
end
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この後は妄想で楽しんで下さいな(笑
ウイリアムが最初ちょっと病んでましたね...。
でも、なんとかくっついて良かったです!
このコンビ本当に大好きですw
ダンウイ最高!!
こんな駄作を見て下さりありがとうございました!
ウイリアムとダンタリオン末永くお幸せに!!
てか、早く結婚してくれないかなぁぁぁぁぁぁ!
ウエディング姿のウイリアムを妄想しただけで鼻血がっ!!
ツンデレウイリアムのデレ&ツンに毎回心臓発作を起こしますw
ダンタリオンのあのデレデレさにも最近心臓が持ちません...。
どうやら、私の心臓は長く持ちそうにありませんね。
...仕方が無い...。
ダンウイに出会ってしまったのが運のつきだっ!!
長文失礼致しました!!
記念すべき第一作目無事終了出来て本当に嬉しいです!
今後とも、宜しくお願い致します!
次回からは、裏もどしどし入れて行こうと思っていますのでw
またのご来場お待ちしております!
byダンウイ中毒作者●●