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□凍傷。※
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ぼろぼろぼろぼろ。


(音を立てて零れる涙なんてあるんだな。)


切迫した刹那が放つ空気に、まるでそぐわない感想を抱く自分に驚きはない。


(なんでかな…?さっきは、銃を向ける程熱くなったのに。)


裁きを望む刹那の涙が、頬を伝う間もなく、瞳から大粒の玉となって床へ落ちる。


睫毛から掬った涙と、触れた頬の熱さを指先に感じる。



「あったかい、な。刹那は。」


「……?」


急に噛み合わない事を言い出した俺を怪訝な表情で見つめる刹那。


「なぁ。どうして?」


細い腕を掴んで服越しに体温を確認する。


「どうして、刹那は、こんなにあったかいんだ?」



唇が触れ合う寸前まで顔を近付けて問うと、刹那の体がびくっと後ずさる。



「な、んで…」


壁にぶつかり、逃げ場を無くした刹那は震える喉で声を搾り出す。


「お前は…なんで、そんなに冷たいんだ?」




(冷たい?俺が?)



「…なんでかなぁ…?」


長い前髪をかきあげた自分の手は、確かに掴んだ刹那の肌より随分ひやりとしている。


「一緒に、考えてくれよ。」



心と体と頭。



(俺のどこが、冷えちまってるんだと思う?)




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