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□願う。
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「俺、お前の心が大好きなんだ。」


「真っ直ぐで、強くて。」



長い指が耳のあたりの跳ねた髪を巻く。




「どんな事があっても、揺るがない刹那に憧れるんだ。」




髪を巻いた指は頬に触れたあと、そのまま俺の左手を掴む。



「お前のそうゆうところ、俺は尊敬してるよ。」



そう言って手の甲に口付ける姿が、まるで忠誠を誓う騎士のようで。



(あぁ、どうか。)




どうか、どうかこのまま。



(この男を騙し通せますように。)



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