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□凍傷。※
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「好きだよ、刹那。」
「…ぁっ、ど、ォしてっ!」
ロックオンの長い指が優しく頬を包み込むのが堪らなくて叫ぶ。
「俺は…お前の家族を殺したんだろっ!?」
トリニティからその事実を教えられ、一度は銃口を向けた彼。
「お前が殺したわけじゃないさ。」
「同じだっ!!」
再び声を荒げても、それでもまだ頬を包み続けるロックオン。
彼の碧い目を見ることが出来ず俯くしかない自分の弱さを知り、目尻に涙が浮かぶ。
「泣くなよ…」
長く暖かい指先で、睫毛の涙を拭い、掴んだ頬を下から覗き込まれる。
「さっき、刹那は生きているならガンダムで戦うって。自分の手で世界を変えるって言い切ったじゃないか。」
子供のような純粋さと、大人の悟りを兼ね備えた碧眼に見つめられ目が泳ぐ。
「そうだ…でも!今まで通りの関係でっ…ロックオンに…優しくされる資格なんてない事ぐらい分かってる!!」
どんなに愛し合っていても、自分と同じ血を分けた家族を。
幸せだった自分の人生を。
奪い去って奈落に突き落とした悪魔を、愛し続けられる?
(彼の美しい心と運命を受け入れようとする心に甘えてはいけないんだ。)
そうだ。
罪は罪として裁かれなければならない。
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